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鮭としゃけとサーモンの違いをわかりやすく解説!使い分け方をチェック

投稿日:

「酒の肴に鮭」…「さけのさかなにさけ」

ひろし
ややこしくなっちゃうから『しゃけ』って言うことにしたの?
れいか
いや……多分ちがうから。

 

毎日の食卓にのぼることも多い『サケ』。

『サケ』の他に『しゃけ』や『サーモン』といった呼び方もありますね。

せっかくの『サケ』に

「えーと、これってしゃけ?サーモン?」

と戸惑っていては、ごはんも冷めるというもの。

 

また、高級和食の代表選手、お寿司。

それなのに、なぜお寿司屋さんでは『サケ』ではなく『サーモン』なのか。

そもそも高級なお店では、めったに『サーモン』なんてお目にかからないのはどうして?

 

そして、謎の名前『しゃけ』。

普通に使っているけれど、考えてみれば『しゃけ』って何?

おんなじ『サケ』だよね?

どこかの方言?

 

などなど謎だらけの魚、サケ。

そのおいしさを存分に堪能するお手伝いをさせていただきます。

『サケ・しゃけ・サーモン』について、使い分けや本当に方言なのか等、違いをわかりやすく解説いたしましょう。

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『サケ』?『しゃけ』?『サーモン』? 違いは?

焼き鮭

サケは、川で卵から孵化し、やがて稚魚となって海へと下ります。

そこで回遊しながら大きくなって、3年~5年後に、生まれた川へ戻ってきます。

ちゃんと自分の生まれた川を記憶しているのです。

そして、ひたすらに川の上流を目指して泳いでゆき、産卵し、一生を終えます。

 

『川を遡上している最中は、一切エサを口にしない』

と言われ、オスもメスも新しい命を産み出して力尽きます。

サケの身はサーモンピンクと呼ばれる色をしていますが、実はサケは『白身魚』なのです。

……また謎がひとつ増えましたね。

 

かつて日本では『サケ科の魚』をすべて『鱒(マス )』と呼んでいました。

サケ目サケ科です。

そして、その中でも『シロザケ』1種類だけが、『サケ』の名で呼ばれていました。

日本では、どんな種類のマスもサケも、全部が『マス』。

サケ科の中で、シロザケだけが『サケ』なのです。

 

現在も生物学上の分類では、

マスとサケは同一のもの

とされています。

いわゆる『サケ(シロザケ)』ではないサケ科の魚は、全部『マス』。

 

では『サケ』と『マス』の決定的な違いは何か?

実は、生息する場所が異なるのです。

前述の通り、サケは川で生まれたのち、海へ下ります。

そこでエサをとり、成長してゆく過程でマスとの違いが出てきます。

それが身の色です。

甲殻類を食べることで『アスタキサンチン』という赤い色素が、本来白身魚であるサケの身をサーモンピンクにするのですね。

 

一方のマスは、淡水である川や湖で一生を過ごします。

そのエサは、おもに川虫や昆虫。

ですから、身の色は赤くはならず、本来の白身のままなのです。

 

繰り返しになりますが、マスとサケは生物学上の分類は同じ。

そして、そのうち海で育つのが『サケ』、淡水で暮らすのが『マス』。

そう覚えておきましょう!

 

そんなサケですが、英語では『サーモン(salmon)』。

言ってみれば、それだけの違いなのですが、一般に売られているサケとサーモンの事情は、また別なのです。

――ここはまた後で、詳しく説明しますね。

 

そして『しゃけ』について。

辞書などでは『しゃけ』ではなく、『サケ』でないと調べることはできません。

『しゃけ』は、正式な名称ではないからです。

 

でも普段、『サケ缶』『塩サケ』よりも『シャケ缶』『塩ジャケ』と言いませんか?

『しゃけ』という名が、いつ、どこで生まれたのか。

これには面白い説がいろいろとあるので、後ほど紹介していきます。

まずは『サケ』と『サーモン』の違い、使い分け方などを見て行きましょう。

 

『サケ』とは?『サーモン』との違い

鮭の遡上

サケは英語で『サーモン』。

それとは別に、『サーモントラウト』(トラウトサーモンとの表記もあり)もよく耳にしますね。

スーパーの鮮魚コーナーでもお馴染みですが、実はこれ、サケではありません。

その正体は『ニジマス』です。

 

サーモンに対し、マスは英語で『トラウト(trout)』。

『サーモントラウト』は、淡水魚の『ニジマス(レインボートラウト)』を海で養殖したものなのです。

魚の種類のことを言うのではなく、商品としての名前なのですね。

 

もともと淡水魚のニジマスですが、海で育てられるためその身もサケのようなサーモンピンクをしています。

食味もサーモンに近く、脂のノリもいいので人気です。

 

近年ではニジマスや、ニジマスとブラウントラウトを掛け合わせたものを淡水で養殖しているところもあります。

それらは地域の名を冠して『〇〇サーモン』と命名され、特産品となっています。

 

他にも『キングサーモン』や『アトランティックサーモン』といった種類がサーモンとして流通しています。

こちらは海水魚のサケの1種です。

それに対し、サケとして出回っているのは

  • シロザケ
  • カラフトマス(青マス)
  • 銀鮭
  • 紅鮭
  • サクラマス(本マス)

サーモントラウトを含む8種類が、『サーモン』あるいは『サケ』として市場に出ているのです。

サーモンは輸入物または養殖。

サケ・マスは基本、国産・天然。

 

サーモンの中でも高級品として知られるのが、キングサーモンです。

回るお寿司屋さんでサーモントラウトより高価なお皿に乗ってきますね。

上品な脂でおいしい品種ですが、日本で流通しているものの、ほとんどは輸入品なんです。

希少な日本産のものは『マスノスケ』と呼ばれます。

 

そして切り身の塩鮭としてスーパーの定番、シロザケ。

天然で、脂が少なくさっぱりしているので、新巻などに加工するのに向いています。

シロザケの中でも秋に捕れるものが秋鮭。

時鮭(ときしらず )と呼ばれるものは、春から秋にかけて回遊してくる未成熟なサケ。

産卵前なので脂ののりが良く、美味です。

 

銀鮭は国産の天然ものはまれで、流通しているものの大半ははチリ産の養殖物です。

一部には国産の養殖銀鮭もありますが、安価なことから、おにぎりやお弁当などに登場することが多い種類となります。

 

サーモンのうちアトランティックサーモンは、お刺身としてスーパーなどで販売されています。

有名なものはノルウェイ産で、日本では養殖サーモンの代表です。

 

つまり『サケ』と『サーモン』の基本的な違いは

『国産・天然』

『輸入・養殖』

という点になるのです。

 

本来、天然のサケの生食は厳禁でした。

天然のサケには、『アニサキス』と『サナダムシ』という寄生虫がいるからです。

サナダムシは、まれですが、アニサキスはサケ以外にもサバやサンマにも寄生しています。

しっかり火を通すか、凍らせてから半解凍にする『ルイベ』が、天然のサケの本来の食べ方だったのですね。

 

しかし最近では、鮮度の良いままで冷凍できるようになり、解凍してもおいしいお刺身として食べられるようになりました。

以前は、料亭などではサケの刺身は出されませんでしたし、お寿司屋さんでも同様でした。

 

サケとサーモンの違いとして、生食できるか否かは、最近ではあまり言われなったのです。

ですが、一般的な食べ方として、和食の焼き魚や鍋などにはサケ。

脂のあまり乗っていないものは、新巻にするなどの工夫でおいしく食べる。

そしてサーモンは濃厚な脂を味わうために生食で。

焼き鮭も、サーモンのお刺身もおいしいです。

両方味わえて、本当に幸せな時代になりましたね。

 

『しゃけ』って方言?『さけ』との違いは?

さて、ここからは『しゃけ』の話です。

『しゃけ』とはサケの別名です。

そういう名前の魚がいるわけではありません。

ですが、『しゃけ』の名もかなり広く使われています。

 

全国の男女1,000人に質問したところ、

『60%以上の人がサケよりも『しゃけ』と呼ぶ』

と答えたそうです。

 

かつて、『さ・し・す・せ・そ』の発音が苦手な江戸っ子たち。

『しゃけ』の由来が、諸説ある中で江戸弁であるとの説が有名です。

しかし、その名を使っているのは、江戸弁地域には限りません。

中部・近畿・中国・九州地方の一部など、全国に広がっているのです。

江戸弁説以外に有力なのが、「生き物は『サケ』、食べ物は『しゃけ』」説。

この説にはかなり説得力がありますね。

 

牧場にいるのは牛で、お肉屋さんに並んでいるのは牛肉。

海にいるのはマグロですが、缶詰やおにぎりの具はツナ。

英語だと、さらにわかりやすくなります。

豚は『ピッグ(pig)』、豚肉は『ポーク(pork)』。

羊は『シープ(sheep)』、食肉なら『マトン(mutton)・ラム(ram)』です。

つまり海で泳いでいる時は『サケ』、食卓に上れば『しゃけ』というわけですね。

 

また、同じ食材でも生のままなら『サケ』、フレークや塩鮭など加工されると『しゃけ』という説もあります。

さらにはアイヌ語が語源という説。

夏の食べ物という意味のアイヌ語が、『サクイベ』『シャケンベ』。

そこから『サケ』『しゃけ』になったのでは?といわれています。

 

実は『サクイベ』『シャケンベ』はマスのことで、サケは『シイベ』あるいは『カイムイチェプ』だそうですが。

『シロザケ以外すべてマス』と言われていたことを思うと、この説も捨てがたいです。

 

どれもこれも、ありそうな話ですよね。

もう『サケ』でも『しゃけ』でも、どっちでもいい気がしてきました。

 

『サケ・しゃけ・サーモン』の違いを比較!!

サーモン寿司

『しゃけ』については諸説ありすぎで、由来を辿るのは事実上、不可能なのですが……。

『サケ』と『サーモン』の違いは、とりあえずまとめておきましょう。

もう一度、『サケ・しゃけ・サーモン』の違いや使い分けのおさらいです。

 

食用として流通している『サケ・サーモン』の種類は?

サケ

シロザケ

塩鮭、切り身として売られている。

春に海で捕れるものは時鮭(ときしらず)、秋に川に戻るものは秋鮭。

銀鮭

安価なので、おにぎりの具やお弁当によく使用される。

流通しているものの大半はチリ産などの養殖もの。

紅鮭

国産・天然のものはあまりなく(皆無ではない)、アラスカやロシア産のものがほとんど。

サクラマス(本マス)

富山県の『鱒寿司』には、サクラマスが使われている。

海で捕られたものはクセがなく美味。

海に降りない陸封型の『サクラマス』は『ヤマメ』。

カラフトマス(青マス)

若いカラフトマスは『青マス』と呼ばれ、5月から8月頃にかけて市場に出回る。

サーモン

キングサーモン

良質な脂が乗っていて、高価だが寿司ネタや刺身に使われる。

カナダやアラスカ、ロシアからの輸入がほとんどを占める。

国産・天然のものは『マスノスケ』という名前で呼ばれる。

アトランティックサーモン

養殖サーモンの代表で、キング同様寿司や刺身に。

サーモントラウト

ニジマスを海(一部は淡水)で養殖したもの。

 

スーパーに並ぶ『サケ』と『サーモン』の違いは?

サケ

国産で、養殖ではない天然のもの。

サーモン

基本的に養殖したものが輸入される。

 

使い分け・食べ方の違いは?

サケ

天然もののため、時期によって脂の乗りが変わる。

現在は生食も可能だが、焼き物や鍋物、油を使った調理(ムニエルやフライなど)に向いている。

サーモン

脂乗りが良いので、刺身などの生食や燻製にも。

 

で、結局『しゃけ』ってなんなの? 方言?

方言説やアイヌ語説。

生き物か、食材か。

加工品か否か。

諸説あって、特定不能です。

でも、『しゃけ』と言っても決して間違いではありません。

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おわりに

ひろし
シロザケ以外はすべて『マス』だなんて……
れいか
サーモントラウトはニジマス。

サーモンは輸入物。

覚えた?

 

『マス』、すごいです。

子供のころからずっと食べ続けているのに、ぜんぜん飽きないところもすごいです。

回ってるのでもいいから、おいしいサーモンのお寿司、食べたい。

そして朝ごはんのお供に塩鮭。

ああ、日本人でよかった。

 

さて、いかがでしたか?

『サケ』派か『しゃけ』派かと言えば実は『しゃけ』派なのですが、まったく問題ないのですね。

でもお寿司屋さんで「シャケください!」と言ってしまう前に、違いが分かってよかったです。

今後もサケそしてサーモンが、毎日の食卓でおいしく食べ続けられることを切に願うばかりです。

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