あなたは『ブリッジ』という言葉を知っていますか?




今回は、『ルーター』と『ブリッジ』の違いについて解説します。
『ルーター』と『ブリッジ』の意味
まずは、先に『ルーター』の方から意味を調べてみましょう。
『ルーター』とは?
コンピュータをつなぐネットワークにおいて、データを2つ以上の異なるネットワーク間に中継する通信機器
のことです。
インターネットの世界では、様々なネットワークが存在しています。
例えば、会社や学校、一般家庭などでもネットワークが構築されています。
ネットワークにつながれたパソコンやサーバには、目印となる番号が必ず割り当てられています。
それを『IPアドレス』といいます。
例えば、パソコンから世界のどこかにあるWebサーバにアクセスしたい時は、この『IPアドレス』を頼りにしています。
しかし、その間にはいくつものネットワークが張りめぐらされているので、一つずつたどりながら目的のサーバへとつなぐ必要があります。
目的のサーバへのルートを判断するために使われるのが『ルーター』です。
つまり、『ルーター』がなければ、ブラウザでいろいろなページやコンテンツを見たり、ゲームでネットワーク対戦することはできないわけです。
では、『ブリッジ』はどんな意味を持つのでしょうか?
『ブリッジ』とは?
『OSI参照モデル』の『データリンク層』の情報を基に送信先を決定するコンピュータネットワーク機器
のことです。
ここで難しい言葉『OSI参照モデル』と『データリンク層』という言葉が登場しました。
ネットワークには、その機能によっていくつかの階層に分けられています。
これを『OSI参照モデル』といいます。
OSI参照モデル
アプリケーション層 | HTTP, SMB |
プレゼンテーション層 | SMTP, FTP, Telnet |
セッション層 | TLS, NetBIOS |
トランスポート層 | TCP, UDP |
ネットワーク層 | IP, ICMP, ARP |
データリンク層 | イーサネット, 802.11a/b/g/n |
物理層 | RS-232, 10BASE-T, 100BASE-TX, 電話線, 光ケーブル |
『データリンク層』は、下から2番めにある層のことです。
その層にある情報を使って、データを相手に送るための機器が『ブリッジ』になります。

全く同じものじゃないのかな?

『ルーター』と『ブリッジ』の違い
『ルーター』と『ブリッジ』とでは何が異なるのでしょうか。
実は、『OSI参照モデル』にある層で考えれば違いがわかります。
『ブリッジ』は、『データリンク層』の情報を見て、送信先を決めています。
それに対して、『ルーター』は『ネットワーク層』の情報を見て送信先を決めています。
『ブリッジ』と『ルーター』では見ている層が異なるのです。
『ルーター』は『IPアドレス』を見てルートを判断します。
この『IPアドレス』は、『ネットワーク層』で使われる番号です。
それに対して『ブリッジ』は『MACアドレス』という、ネットワーク機器が固有で持っている番号を見てルートを判断します。
『MACアドレス』は『データリンク層』で使われる番号なのです。
『ルーター』同士が、つなぐものは異なる『ネットワーク』です。
『ネットワーク』が異なるというのは、簡単に言えば『IPアドレス』の種類が異なるという意味です。
しかし、
『ブリッジ』がつないだものは、同じ『ネットワーク』になります。
つまり、『IPアドレス』の種類が同一であるということですね。
同じ『ネットワーク』の中で、橋渡しをする役目を持っているので『ブリッジ』と呼ばれるわけです。


『スイッチングハブ』とは
ネットワークにおいて中心に位置する集線装置
のことです。
実は、『スイッチングハブ』も『ブリッジ』と同じことができます。
『ブリッジ』という言葉があるのは、
『ルーター』にも『ブリッジ』の機能を持っていることが多い
からです。
『ルーター』をブリッジモードに切り替えると、『ルーター』ではなく『ブリッジ』として働くようになります。
つまり、同じネットワークの仲間だとみなすようになるということですね。


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まとめ
今回のポイントについて、まとめていきましょう。
ポイント
- 『ルーター』は、異なるネットワークどうしを中継するための機器である。
- 『ブリッジ』は、同じネットワークをつなげるための機器である。
- 『ルーター』と『ブリッジ』では、その扱っている情報がある層に違いがある。
- 『ルーター』には『ブリッジ』の機能を持っているものが多い。
『ルーター』を使うとき、ブリッジモードという言葉がよく登場します。
どちらのモードにすればいいのか、間違えないように注意しましょう。