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保育と教育の違いをわかりやすく解説!意味や定義をチェック!

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あなたは、幼稚園に行きましたか?

それとも保育園ですか?

ほとんどの親は、我が子を

『幼稚園か保育園に入園させる』

という選択をするでしょう。

一般的には、両親が働いていれば保育園に、そうでなければ幼稚園ですよね。

 

ただ最近は、

  • 幼稚園と保育園を一緒にしようという『幼保一体化』
  • 就学前教育の義務化

がすすめられています。

令和元年10月には、政府による『幼児教育・保育の無償化』もスタートしました。

幼児教育にかかる費用とは、幼稚園などの授業料の事で、保育にかかるお金とは、保育料のことです。

そもそも、教育と保育という、似ているようで分けられている、この違いとは何なのでしょうか。

 

実は、この『保育』と『教育』が、分けて使われてきたことには

日本の歴史との深い関わり

があるのです。

子供たちを取り巻く社会は、変化しつづけています。

保育と教育の本質や違いを知ることで、混乱をなくし、理解を深めましょう。

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保育の意味と定義

保育とは、

『幼児の心身の正常な発育を目的とし、家庭、託児所、保育園、幼稚園などで行われる養護を含んだ教育作用』

です。

『養護』とは、

命を守り、生きるために必要な衣食住などの基本的な生活の世話をすること

で、同時に生活に必要な事を教えていきます。

子供の育ちを助けるためには、単に子守りをするお世話だけでは足りません。

子供が安心できるように気を配ったり、自分に自信が持てるようにしていく教育的な手助けが必要です。

日本で初めて『保育』という言葉が使われたのは、日本で初めてつくられた幼稚園の教育方法やその内容を説明する時でした。

ですから、

保育も教育の一部

といえるのです。

 

保育の定義では、広くは家庭における育児も『保育』に入ります。

しかし、一般的には狭い定義での、保育園や保育所、幼稚園などでの集団保育や、家族以外の保育士等によるものが『保育』とされています。

 

教育の意味と定義

教育とは、

『他人に対し、計画的に意図的な働きかけを行う事によって、その人間をより望ましい方向へ変化させること』

とされています。

単純に知識を教師が生徒に伝えるだけではない

ということです。

 

ありのままの物事を見せ、

どうしてだろう?

おもしろそう!

などの興味・関心を引き出し、考える力を育てるのです。

 

例えば、

『はさみ』を使えるようになる

という目標があるとします。

これを、

「親指と中指をふたつの輪に入れて、広げたりとじたりして切ります」

と、単純に使い方を伝えるだけではないのです。

まずは、はさみを使って紙を切っている姿や、できた作品をみせてあげます。

それによって、

「おもしろそう、やってみたい」

と相手に興味や関心をもたせます。

 

切りやすい紙、薄すぎもせず、厚すぎもしない、ちょうどよい紙を用意します。

見よう見まねで、何度も挑戦できるよう見守ります。

けがをしないよう、気を配ります。

うまくできた時には

「じょうずにできたね!がんばったね!」

など励まし、自信をつけさせるのです。

このように教育は、目的を持って工夫して働きかけ、相手が成長できるようにしていくことです。

 

もともと、『教育』という言葉は、

中国の孟子が書いた儒学書の中の言葉

でした。

日本では、儒学をもとにした朱子学が江戸時代に広がりました。

朱子学は、漢語で書かれていて、その中に登場した漢字の言葉は、今でも同じ意味で使われる

『仁(じん)』『義(ぎ)』

などがあります。

『教育』も同じく、孟子の言葉として、朱子学を学ぶ人の間で、知られる言葉となりました。

 

でも、その意味は今より狭いものだったのです。

『上から施されたことを下から習う』

という意味でしかありませんでした。

それが、

明治時代に伝わった英語の『educatipn(エデュケーション)』の翻訳語

として使われるようになったのです。

それまで日本では、寺子屋での『手習い』を多くの子ども達がうけていました。

具体的な内容は、文字や数字の読み書き、そろばん計算、先生のまねをして覚える形です。

 

でも、幕末には、アメリカ・ヨーロッパの国々の文化と一緒に、新しい教育も伝わってきました。

その新しい教育とは、近代的な考え方をもとにしていたのです。

『近代的な考え方』とは、

ありのままのものを自分の目で見て、自分で感じ、自分の考えを持つこと

でした。

今では当たり前のことですが、当時は自分の意見を言う自由はなかったのです。

新しい教育は、自由に考え、他人と議論して、時には先生も弟子と学び合う、活き活きしたものだったのです。

経験を積みながら、ものをみる力や考える力、判断する力を育てていく、この方法は、現在の教育のもとになっています。

 

さらに、教育の定義として、せまく教育をとらえる場合と、広くとらえる場合があります。

せまい定義での教育

学校などで、子どもたちが受ける教育は、せまい定義での教育とされます。

昔は、貧しい家庭や、農家の子どもは教育をうけることが、ほとんどありませんでした。

今では、教育は『教育権』として、『基本的人権』のひとつとなり、日本のすべての子どもは、義務教育を受けることができます。

さらに、学校教育だけではなく、

◯◯教育

とよばれる、目的や教育方法に名前のついているものも、せまい定義での教育になります。

広い定義での教育

広い定義としての『教育』は、

家庭や社会で生活する中で受ける影響すべてのこと

で、『非制度的教育』ともよばれます。

 

人は、生活している中で、さまざまな刺激を受けています。

無意識のうちに、意識的に、人やモノ、芸術…など、たくさんの影響をうけたり、自分もまわりに影響を与えたりしています。

まわりと関わる中で、良い方向に変わっていくこと

が広い定義での教育です。

 

たとえば、

『仕事でつらいことがあって落ち込んでいたけれど、帰り道、道端のタンポポをみて前向きな気持ちになった』

これも教育を広く定義したときに、教育をうけたといえるのです。

 

保育と教育の制度!その歴史とは?

言葉の意味としては、保育に教育が含まれていることから、二つを分けることはできません。

でも、日本では教育と保育が、制度の中で分けられてきました。

 

たとえば、小学校や中学校では

『学習指導要領』

を、もとに授業の指導計画がたてられていきます。

幼稚園や保育園では

『幼稚園教育要領』『保育園保育指針』

が、これにあたり、保育の計画がたてられます。

『幼稚園教育要領』と『保育園保育指針』の内容は、ほとんど同じですが、次の違いがあります。

幼稚園教育要領

文部科学省が発行。

『幼児教育』という言葉を使い、幼稚園での保育内容を示しています。

保育園保育指針

厚生労働省が発行。

『保育』という言葉を使い、保育園での保育内容を示しています。

 

以上から『保育』と『教育』は、

幼稚園と保育園を区別する言葉

として、とらえられてしまうこともあります。

 

保育園では、十分な教育が受けられないのでは?

逆に、幼稚園では行き届いた保育が受けられないのでは?

 

以上のように、誤解されることもあるのです。

 

どんな歴史があるの?

幼稚園

1840年、ドイツにてフリードリヒ・フレーベルにより、小学校に上がる前の幼児のための学校

『kindergarden』

が始められました。

日本では、

幼児学校

として、明治以降につくられました。

もちろん授業料を払うので、当時は経済的に豊かな家庭の幼児が通っていたのです。

 

幼稚園は、『学校教育法』によって規定されています。

『学校教育法』は、『教育基本法』をもとにつくられています。

その『教育基本法』の前文には、次の理想を実現するために、教育をしていくと書かれています。

『たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家をさらに発展させる』

『世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願う』

管轄は、文部科学省です。

保育園

1779年、フランスのアルザス・ロレーヌで、

プロテスタント牧師オベルランが、貧しい家庭の子の昼間の保育を始めた

ことが、最初とされています。

日本では明治になってから、

働いている間に子どもを預けられる民間の保育所

がつくられていきました。

でも、それは必要に迫られてつくられたものです。

質のよい保育所は少なく、両親が働いている間、兄弟による子守りも、めずらしくはありませんでした。

 

保育所が福祉施設として国に認められたのは、

昭和戦後を過ぎてから

だったのです。

当時は保育園ではありません。

『保育所』とよばれ、『児童福祉法』によって、保育制度が整えられていきました。

『児童福祉法』の理念は、

『すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない』

となっています。

保育園や保育所は、

両親が働いている時間に、子どもの面倒をみられない家庭を、社会みんなで助けよう

という福祉事業なのです。

管轄は、厚生労働省です。

 

幼稚園と保育園の制度の違いは、

階級差、貧富の差を大きくする社会問題

ともいわれてきました。

幼児教育と保育は、ほとんど同じ内容と意味をもっていますが、保育の本質は『せまい定義での教育』と同じではありません。

保育の本質には、もともと『困っている人を助ける』という、子どもだけではなく『親を助ける』こともふくまれていたのです。

 

『人類の福祉の向上』を実現するために『教育』があるのだったら、理想の『保育』を実現するために『教育』があるのでしょう。

 

教育と保育制度を整えてきた『学校教育法』と『児童福祉法』ですが、『幼児』と『児童』の定義にも違いがあります。

学校教育法

『幼児』…3~5歳を幼児教育の対象としています。

『児童』…小学校の課程、特別支援学校の小学部の課程に在籍している者、としています。

児童福祉法

『児童』…0~満18歳まですべて含みます。

さらに、『児童』を次のように細かく区分しています。

『乳児』…0~1歳未満

『幼児』…満1歳~小学校就学前まで

『少年』…小学校就学~満18歳

 

保育施設と教育施設はどう違うの?

保育を受けられる場所は、児童福祉施設です。

具体的には

  • 保育園
  • 保育所
  • 児童館
  • 児童養護施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 障害児施設

この他にも、児童発達支援センター、助産施設、ベビーシッターなどで、保育サービスを受けることができます。

また、幼稚園と保育園が一緒になった『幼保連携型認定こども園』もあります。

 

教育を受けられる場所は、教育施設です。

具体的には、

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 高等学校
  • 中等教育学校
  • 大学高等専門学校
  • 特別支援学校(盲学校、聾学校、養護学校)

専修学校や、上記以外の各種学校も教育施設とされています。

保育と教育の先生の違いは?

学校、幼稚園、保育園、そこで指導する立場の人は『先生』ですよね。

でも、先生になるために、必要な勉強や必須の資格や免許が違います。

くわしく違いを見ていきましょう。

 

保育の担い手は『保育士』です。

保育士になるためには、専門学校や短大、大学などの養成学校を卒業して

『保育士資格』

をとります。

または、国家資格のひとつ『保育士試験』に合格すれば『保育士資格』がとれます。

 

教育施設とされる『学校』の先生は『教員』『教諭』などとよばれます。

教員になるためには、養成大学、短期大学などを卒業し、教育委員会が発行する『教員免許状』をとります。

 

『保育士』と『幼稚園教諭』は、養成大学で同じ科目があります。

なので、『保育士資格』と『幼稚園教諭免許状』を同時にとることができるところも多いです。

 

最近では保育士不足や、待機児童の問題があります。

そこで、保育士資格がなくても、保育施設で働く事ができるシステムがあります。

次のような場合です。

幼稚園教諭や小学校教諭

ただし、幼稚園教諭は3~5歳児、小学校教諭は5歳児など、担当する年齢や人数は限定されています。

子育て支援研修の修了者、家庭的保育者、施設での業務経験の長い人

 

『幼保一元化対策』の中で、

『教員免許』を持っている人が、『保育士資格』をとりやすいシステム

も内閣府によって作られました。

認定校で一定の単位をとり、一部の科目の保育士試験に合格すれば『保育士資格』がとれる

というものです。

 

保育施設は保育時間が長くて、子どもの年齢の幅も広く、長い時間、命を預かる重い責任があるハードな職業です。

保育士には、高い専門性も必要とされるので、保育の質が落ちないようにしなくてはいけません。

保育士不足の問題は、理想の保育を実現するために解決しないといけない大きな問題と言えますね。

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まとめ

保育と教育は、共通する点も多いのです。

保育の中には教育がふくまれ、幼児教育には保育がふくまれます。

 

教育を広い意味でとらえると、人はいつも周りに影響されながら成長をつづけていて、それも教育なのです。

 

保育は、一般的に保育士が保育所などで行います。

子供の命を守り、情緒を安定させ、自分に自信が持てるよう育むのです。

さらに保育を広い意味でとらえると、家庭での育児も保育になります。

 

そして家庭での保育が足りなければ、

18歳までの子どもは、児童福祉法で生活の保障と愛護

が受けられるよう守られています。

 

教育は、安定した生活を土台として実現していくものです。

しかし、まだまだ十分ではありません。

教育も

『困っている人をたすけること』

を目的として、変わりつづけているのです。

 

子ども達が健やかに育つ『保育』や『教育』を安心して受けられる理想の社会が、これからも実現していくといいですね。

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