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陶器と磁器の違いをわかりやすく解説!定義と見分け方をチェック!

『焼き物』と言うと、ちょっと特別な感じがするかも知れませんが、実は焼き物は身の回りにあふれています。

特に使う機会として多いのが、食事の時。

家庭でもレストランでも、陶器や磁器の食器はよく使われていますよね。

生活の中で、陶器や磁器をまったく使わない人は、ほとんどいないでしょう。

 

ところで、この『陶器』と『磁器』って、何が違うんでしょうね?

また、どうしたら見分けられるのでしょうか?

 

ということで、この記事では

  • 陶器と磁器の定義や違い
  • 陶器と磁器の見分け方

についてお話しします。

ぜひ最後まで読んでくださいね!

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『陶器』と『磁器』の違いとは?

陶器と磁器ってどう違うの?

陶器と磁器の定義とは?

陶器とは、

粘土を原料として窯で800~1300℃の温度で焼いた陶磁器。

釉薬を使っていて吸水性があり、叩いた時の音は鈍い。

 

磁器とは、

高温で焼成されて吸水性がなく、叩いた時に金属音が出る陶磁器。

 

これが陶器や磁器の一般的な定義です。

でも、これだとちょっとイメージが湧きにくいかもしれませんね。

では次に、より具体的に陶器と磁器の違いを見ていきましょう。

陶器と磁器の違い一覧

まず、写真を見てみてください。

陶器と磁器

 

どちらも徳利とお猪口ですが、左が陶器、右が磁器のものです。

この写真を見ると、陶器と磁器の違いって、雰囲気としては伝わるかと思います。

手触りもなんとなく、想像できそうでしょうか?

 

陶器と磁器には、風合いや手触りだけでなく、いろいろな違いがあります。

その違いを、まず表で、ざっと見てみましょう。

 

陶器 磁器
全体の風合い 土のぬくもりを感じるような、素朴な風合い 光沢があり、エレガントな風合い
主な材料 陶土 陶石
焼く時の温度 800~1,300℃ 1,200~1,400℃
焼き方 酸化焼成、還元焼成 還元焼成
素地 荒く、吸水性がある。

ただし、釉薬を使うと吸水性はなくなる。

素地が細密で、吸水性がない。

また、素地が白く透光性があり、透明感がある。

割れやすさ 比較的割れやすい 比較的割れにくい
厚み 薄手のものは作れない 薄手のものも厚手のものも作れる
叩いた時の音 鈍い音 金属的で響く音

 

このように、材料はもちろん、焼く温度や焼き方にも違いがあり、そこから強度や厚さなどの違いも出て来るのです。

陶器と磁器の違いをさらに詳しく

陶器と磁器の違いを、さらに詳しく見てみましょう。

 

1 材料の違い

陶器も磁器も、土から取った材料をこねて焼いて作りますよね。

でも陶器と磁器の主な材料は

陶器…『陶土(とうど)』という陶器作りに適した粘土

磁器…『陶石(とうせき)』を砕いた粉で作った粘土

というように違います。

これが陶器と磁器の大きな違いです。

 

この陶土や陶石には、

『長石(ちょうせき)』や『珪石(けいせき)』

が含まれています。

となると、ちょっと似ているような気もしますね。

でも、長石や珪石の割合が違っていて、

陶土…約50%

陶石…約60%

と、このくらいです。

 

この材料の違いが、他の違いにも関わってくるのです。

まず『陶器と磁器は材料が違う』ということを押さえておいてください。

 

2 焼く時の温度や焼き方の違い

陶器と磁器では、

焼く時の窯の温度や焼き方

にも違いがあります。

陶器…

800~1,300℃で焼き、焼き方は『酸化焼成(さんかしょうせい)』もしくは『還元焼成(かんげんしょうせい)』

磁器…

1,200~1,400℃で焼き、焼き方は『還元焼成』のみ

 

『酸化焼成』とは、窯の中に十分に酸素を行き渡らせながら、少しずつ温度を上げていく焼き方です。

家庭で使うガスコンロでも、酸素をガスに混ぜながら燃やしますよね。

それと同じです。

ですから、ガスコンロ同様、炎は青白っぽい色になります。

 

一方、『還元焼成』は、不完全燃焼の状態で焼き上げる方法です。

不完全燃焼というと、一酸化炭素が発生するから危ないと、よく言われますよね。

その通りで、還元焼成でも一酸化炭素が発生し、また、赤い炎や黒煙も出ます。

 

還元焼成は、あえて酸素不足の状態にしているので、空気の入り具合をコントロールする必要があります。

ですから、熟練の技が必要な焼成方法なのです。

磁器は、この還元焼成で作られています。

 

3 素地の違い

先ほどの写真を見ると、素地の違いはよくわかると思います。

 

陶器の素地は比較的荒く、手触りもザラッとした感じです。

また、釉薬を使わないままだと、水分を吸収します。

ですから、陶器の食器では、釉薬が使われていることが多いです。

 

一方、磁器の素地は細やかで、手触りもつるりとしています。

そして、透明透明感があるのが特徴です。

 

4 強度の違い

陶器と磁器、どちらがより割れにくいかというと、

磁器の方が、より割れにくいです。

 

磁器は繊細な雰囲気もありますし、薄手で作ることもできますから、意外に思うかもしれませんね。

この違いは、

  • 材料
  • 焼き方

が違うことによるものです。

磁器のほうが固焼きなので、陶器よりは頑丈で、衝撃にも強くなります

 

また、磁器はフォークやナイフでの傷も、比較的付きにくいです。

ですから、洋食にもよく使われるのです。

 

とはいえ、ここでいう『頑丈で強い』というのは、あくまでも陶器と比べた場合です。

当然、磁器も強い衝撃を受ければ割れます。

気を付けて扱ってくださいね。

 

5 厚みの違い

陶器と磁器の厚みの違いは、先ほどの強度の違いにも関係しています。

 

陶器と磁器では、厚みが違うことも多く、

磁器のほうが薄手に作ることができます。

なぜ磁器は薄手に作ることができるのかといえば、磁器の方が硬いからです。

 

逆に陶器は、強度が弱いので、薄手に作ると、かなりもろくなってしまいます。

ですから、陶器は厚みのあるものが多いのです。

 

6 叩いた時の音の違い

材質や焼き方が違うとなれば、叩いた時の音も違います。

陶器…鈍い感じの、あまり響かない音

磁器…金属的で、響きやすい音

というように。

そして、同じ大きさの器であれば、磁器の方が高い音がします。

 

陶器は、柔らかい粘土が主な材料。

ですから、音も響きにくいです。

 

逆に磁器は、焼きあがるとガラス質に近くなるために、音が響きやすいのです。

 

7 陶器と磁器の発祥の違い

陶器と磁器は、作られるようになった時期も違います。

 

日本の陶器の発祥は、世界の中でも古く、なんと

縄文時代に発祥した

と考えられています。

最も古い陶器は、約1万6千年以上も前に作られた、縄文土器。

その後、大陸から釉薬などの技術も伝わってきて、陶器が作られ続けました。

 

一方、日本で最初に磁器が作られたのは、1616年、江戸時代に入ってからです。

陶器が縄文時代から作られていたのに比べると、かなり後ですね。

それまでは、中国から持ち込まれた磁器が使われていました。

 

日本で最初の磁器を作ったのは、江戸時代に朝鮮から来た陶工の人。

佐賀県の有田で陶石を発見したことから、日本でも磁器が作られるようになりました。

 

陶器と磁器にはいろいろな違いがありますが、このように発祥の時期にもかなりの違いがあるのです。

『陶磁器』とは?

ところで、

『陶磁器』

という言葉もありますよね。

 

『陶磁器』という言葉は、焼き物の総称です。

ですから、

『陶器』と『磁器』の両方をまとめて表す言葉

と思って差し支えありません。

 

逆に言うと、

陶器か磁器か分からない時は『陶磁器』と言ってしまえば間違いない

ということですね。

陶器と磁器の扱い方

このように、陶器と磁器ではいろいろな違いがあります。

でも、食器棚には陶器も磁器も混ざっていたりしますよね。

となれば、扱い方にもちょっと注意が必要です。

 

どんなことに気を付けると良いかというと、

洗う時には、

  • 陶器と磁器を分けて洗う
  • 食器に残った余分な油分などは、紙などで拭き取っておく
  • 長時間水につけっぱなしにせず、早めに洗う
  • やわらかいスポンジを使う

 

しまう時は、

  • 陶器と磁器は、分けて重ねる
  • 材質や形が違うものは、極力一緒に重ねない
  • 大切な器や、たまにしか使わないものは、器と器の間にペーパータオルや紙ナプキンなどを挟んでクッションにする

ということです。

 

陶器と磁器では硬さも違いますよね。

ですから、

一緒に洗ったり陶器の上に磁器を重ねたりすると、傷がついてしまうことがあります。

しまう時も、極力一緒に重ねない方が良いです。

 

また、食器に残った汚れや油分を拭き取ってから洗うと、水や給湯器のガスの節約にもなりますよ。

お気に入りの食器を長く使うためにも、ぜひ心がけてください。

『炻器(せっき)』とは?

焼き物には『陶器』と『磁器』の他に、『炻器(せっき)』というものもあります。

 

炻器は、陶器と磁器の中間のようなもので、釉薬を使わずに高温での『焼き締め』という方法で作られる焼き物です。

陶器と同じ、もしくは似ている点は

  • 陶土を使って作る
  • 透光性がない

というところ。

磁器と似ているのは

  • 吸水性がない
  • 叩くと陶器より高い音がする

というところです。

 

そして焼く温度も、900~1,400℃くらいと、陶器と磁器両方を合わせたような温度です。

まさに陶器と磁器の間、という感じですね。

 

代表的な炻器には、信楽焼や備前焼などがあります。

陶器と磁器の見分け方

これは陶器?磁器?

ここまで、陶器と磁器の違いについて書いてきました。

でも、陶器も磁器もいろいろなデザインがあって、ぱっと見どちらか分からないこともありますよね。

 

ということで、ここからは陶器と磁器の見分け方について、お話しします。

陶器と磁器をどう見分けるか?

陶器と磁器を見分ける方法は、いろいろあります。

 

見た目で見分けるなら

  • 全体の風合いを見る
  • 釉薬の風合いを見る
  • 透明感を見る
  • 厚みを見る

 

見た目以外で見分けるなら、

  • 高台(こうだい)の手触りで判断する
  • 音で判断する
  • お湯を入れて持った時の熱さで判断する

というようにです。

 

見分け方1 全体の風合いを見る

陶器と磁器では、全体の雰囲気が違います。

 

陶器の風合いは

  • 素朴
  • 土のぬくもりを感じられるような雰囲気

です。

 

一方で磁器は、

  • 光沢がある
  • エレガントな雰囲気

となります。

 

といっても、これは割と漠然とした見分け方ですね。

デザインによっては、陶器でもエレガントな物もあるでしょう。

ですから、見た目の風合いだけで判断せず、他の見分け方と組み合わせたほうが良いです。

 

見分け方2 釉薬の風合いを見る

もう1つの、風合いで見分ける方法は

『釉薬の風合いを見る』

という見分け方です。

 

  • 釉薬にムラが出やすいのが、陶器
  • 釉薬が均一にかかっていて、ムラや垂れがないのが磁器

という違いがあります。

 

陶器は肌合いが荒いので、釉薬にもムラが出やすいです。

逆に、それが陶器の素朴さでもあるし、1つ1つの陶器の個性や味わいにもなります。

 

磁器は、肌合いがきめ細かく、釉薬のムラも出にくいです。

そのため、繊細な絵付けをすることもできるのです。

 

見分け方3 透明感を見る

陶器と磁器では、透明感も違います。

 

陶器は光を通さないので、透明感はありません。

でも、磁器は、かすかに光を通します。

ですから、

光に当てると少し透けたような感じにみえること

があります。

 

この透明感の違いも、陶器の素朴さ、磁器のエレガントさにつながっているのです。

 

見分け方4 厚みを見る

先にも触れましたが、磁器は陶器より硬いので、より薄手に作ることができます。

逆に陶器は薄手のものは作れません。

 

ですから、

『薄手だったら磁器』

と判断することができます。

また、光にかざして透けるくらい薄い物は、ほぼ間違いなく磁器です。

 

では厚手だったら必ず陶器かというと、これはそうだとは限りません。

用途によっては厚手の磁器もありますからね。

 

見分け方5 高台(こうだい)の手触りで判断する

『高台』とは、お茶碗や湯飲みの下にある部分です。

この高台の、釉薬がかかっていないところを触ってみると、陶器か磁器か見分けられます。

 

陶器と磁器でどう違うかというと

陶器…

高台が土色、もしくは白で、土っぽくてザラッとした手触り

磁器…

高台が薄く白くて、しっとりとして滑らかな手触り

 

陶器と磁器は、素材や焼き方が違うので、このような違いが出るのです。

 

見分け方6 音で判断する

陶器と磁器は、音で判別することもできます。

 

爪で軽くはじいた時に、

陶器…

鈍く、あまり響かない感じの音

磁器…

金属的で、よく響く音

という違いがあるのです。

 

この動画は、縄文土器、陶器、炻器、磁器の音を比べているものです。

聞いてみると、音の違いが良くわかります。

 

なお、この動画では爪ではじいていますが、

お店に置いてある焼き物ではやらないでください。

爪ではじいて、万が一傷がついてしまうといけないですからね。

お店で売っている焼き物の場合は、お店の人に聞いてみてください。

 

見分け方7 お湯を入れて触った時の熱さで判断する

これもお店ではできない見分け方です。

熱湯を入れて触った時の熱さでも、陶器か磁器か判断することができます。

 

器に熱いお湯を入れて、すぐに触ってみると

陶器…

持てるくらいの熱さ

磁器…

持てないくらいの熱さ

というように違います。

メモ

やけどには注意してくださいね。

 

なぜ、こういう違いが出るかというと、

陶器は、熱しにくく冷めにくい

磁器は、熱しやすく冷めやすい

という性質があるからです。

 

陶器は、土が主な材料ですよね。

なので、とても細かい穴がたくさんあり、この穴の中に空気が含まれています。

穴の中の空気が断熱材のような役割をしているため、お湯の温度が器の外側にすぐには伝わらないのです。

そして、中身が冷めるのにも時間がかかります。

 

一方、磁器はガラス質の成分が多い陶石が原料。

温度が外側に伝わるのが早く、外の温度が中身に伝わるのも早いです。

そのため、熱しやすく冷めやすいのです。

 

なお、磁器であっても、ある程度の厚みがあれば、触ってもすぐには熱くならないこともあります。

陶器と磁器の見分け方一覧

では、陶器と磁器の見分け方をまとめておきましょう。

 

陶器 磁器
全体の風合い 素朴で、土のぬくもりが感じられるような風合い 光沢があり、エレガントな雰囲気
釉薬の風合い ムラが出やすい ムラが出にくい
透明感 透明感はない 透明感があり、光に当てると少し透けたような感じがする
厚み 厚手 薄手だったら磁器。

光にかざして透けるくらい薄かったら、まず間違いなく磁器

高台の釉薬がかかっていない部分の手触り 土っぽくざらっとしている しっとりして滑らか
軽くはじいた時の音 鈍い音で、あまり響かない 金属的でよく響く
熱湯を入れてすぐ持った時の熱さ 持てるくらいの熱さ 持てないくらいの熱さ

 

このように、陶器と磁器を見分けるには、いろいろな方法があります。

陶器と磁器の違いがわかっていれば、わりと簡単に見分けることができますよ。

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まとめ

陶器も磁器も、食器などに良く使われている焼き物です。

でも、陶器と磁器には

  • 全体の風合い
  • 強度
  • 爪ではじいた時の音

など、いろいろな違いがあります。

 

このような違いは、

陶器

⇒陶土が主原料で、800~1,300℃くらいの温度で、酸化焼成もしくは還元焼成で焼く。

磁器

⇒陶石が主原料で、1,200~1,400℃くらいの温度で、還元焼成で焼く。

という点から出てくるのです。

 

陶器は、

いかにも土から生まれたような素朴な風合いがあり、釉薬のムラなどもその食器の個性

になります。

一方で磁器は、

透明感があるエレガントな雰囲気

で、美しい絵付けがされていたりします。

どちらも素敵ですよね。

 

そして、そういった風合いや性質がわかっていれば、陶器と磁器を見分けるのは、そう難しいことではありません。

特に、陶器と磁器は手触りが違います。

高台の釉薬のかかっていないところ

を触ってみると、区別しやすいですよ。

 

ぜひ、お気に入りの陶器や磁器を見つけて、日々の生活に楽しく使ってくださいね。

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