高たんぱくで、低カロリーの肉といえば、鶏肉のささみです。

それは、たんぱく質が、人間が生きるためにかかせない栄養素だからです。
髪の毛や皮膚、そして筋肉など、人間の身体をつくる成分として、たんぱく質が必要です。
さらに、たんぱく質は、血液や体液などにも多く、ホルモンや抗体もたんぱく質からできています。



それでは、本記事では、ささみと胸肉の違いについて、部位や使い分け方を比較しながら解説していきましょう。
部位を比較!ささみと胸肉の違いは?

鶏肉部位
ささみは、胸肉の一部といえます。
ささみの部位
- 鶏の胸骨の中心にある竜骨という部位の、左右に沿うように張り付いている肉が、ささみとよばれています。
- 深胸筋(しんきょうきん)とよばれる部位で、鶏の胸の最も内側、胸の中心に近い肉をさします。
ささみと呼ばれる由来
漢字で書くと、笹身。
肉の形が笹の葉に似ていることから、この名前が付いたといわれています。
胸肉の部位
- 漢字の通り、胸肉は、鶏の胸の肉のことです。
- 部位は、鶏の前方部分で胸の表面も含むことから、胸肉は皮つきになります。

ささみと胸肉!栄養素の違いは?
部位がほとんど同じことから、『ささみ』と『胸肉』は、栄養素も似ています。
ささみの栄養素
鶏1羽からとれるささみの量は、約75~85グラム。
鶏ささみ肉100グラムあたりのカロリーは、約105キロカロリー。
たんぱく質は約23グラム。
脂質は、約0.8グラム。
炭水化物と糖質は、0グラム。
1ミリグラム以下ですが、ささみにはビタミンAやビタミンEなどのビタミン類も、含まれています。
ビタミン類の中では、水溶性ビタミンB群のひとつであるナイアシンが、約11ミリグラムと高い含有量です。
ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。
丈夫な骨づくりに不可欠なビタミンKについては、約14マイクログラムあります。

胸肉の栄養素
1羽からとれる胸肉の量は、約360グラム。
鶏胸肉100グラムあたりのカロリーは、約191キロカロリー。
たんぱく質は約19.5グラム。
脂質は約11.6グラム。
炭水化物と糖質は、0グラム。
胸肉も、ビタミンAやビタミンEなどのビタミン類は、1ミリグラム以下。
水溶性ビタミンB群のひとつであるナイアシンは、約10ミリグラム。
ビタミンKの成分は、約35マイクログラムです。


なぜ、ささみは高たんぱくと人気なのか?
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)では、年代ごとに、1日に必要なたんぱく質の量を発表しています。
それによると、一日あたり
成人男性:60グラム
成人女性:40グラム
が推奨されています。
他の年代をみると、
10~11歳は、男女ともに50グラム
が推奨されています。
そして、厚生労働省は2019年3月22日に、第6回日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会を開催し、最終的な報告書案を取りまとめました。
2015年版からの変更点の1つとして、
中高年層(50歳以上)のたんぱく質の摂取目標量(下限)を男女ともに引き上げる
とされています。
人間が体内の温度を保ったり、身体活動に必要とする総エネルギーに対する、たんぱく質の摂取目標量
変更前
⇒2015年版:50歳以上の摂取目標量の下限は13%
変更後
⇒2020年版:50歳~64歳の下限は14%、65歳以上の下限は15%

厚生労働省は、65歳以上の高齢者は体重1キログラム当たり、少なくとも1グラム以上のたんぱく質の摂取が望ましいとしています。
これをわかりやすくいうと、
体重60キログラムの人ならば、1日60グラム以上のたんぱく質の摂取
が、健康を保つために推奨されています。

牛肉や豚肉も、たんぱく質は豊富です。
ただ、少ない量でたんぱく質がとれること、肉の価格が安いこと、脂肪が少なく低カロリーなことから、鶏肉のささみが人気なのです。
ささみと胸肉、使い分け方とは?
ささみと胸肉、同じような部位で、たんぱく質が多いことから、両方とも淡白な味、そして低カロリーです。
あえて使い分け方をいうならば、
ダイエットや健康を気にしている場合は、少量でたんぱく質が多くとれるささみは、胸肉よりもおすすめです。
肉質が若干異なるので、ささみと胸肉、それぞれ適している調理方法が異なります。
ただ、
同じ量で比べると、ささみと胸肉では、胸肉のほうが価格が安い
傾向にあります。
なので、ガッツリ食べたい時は、胸肉のほうが向いているでしょう。

ささみの肉質
胸肉よりも、脂肪が少ないです。
鶏肉の中で、最もやわらかい食感がします。
おすすめの調理方法
- 酒蒸しにしたり、茹でたりして、細かくさいて、和え物やサラダ
- お吸い物
- 火を通しても柔らかく仕上がることから、ささみに衣をつけて、揚げ物に
胸肉の肉質
ささみより、脂肪が多いです。
しかし、脂肪が多いといっても、他の肉と比べると、脂肪が少なめであっさり。
ささみより、やわらかさもあるが、パサパサした食感があります。
おすすめの調理方法
- 淡白な味わいを生かせる蒸し物にむいています。
- 油と組み合わせた調理法、カレーやフライドチキンがおすすめです。

ささみも胸肉も、オイルに漬けたり、塩麴をもみこんだり、マヨネーズをつけたりと、下味を変えることで味の変化が楽しめ、いろいろな調理方法が楽しめますよ。
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まとめ
最後に、ささみと胸肉の違いについて、まとめてみましょう。
- ささみは、胸肉であるが、胸肉の内側、中心に近い竜骨の左右に張り付いている2本の肉のこと。
- 胸肉とは、鶏の胸周辺の肉のこと。
- 胸の内側にある肉を『ささみ』ということから、胸肉とよばれる部位は、『胸の外側の肉』ともいわれる。

たんぱく質の量を比較すると、
ささみ>胸肉
脂肪の量で比較すると、
胸肉>ささみ
1羽からとれる肉の量で比較すると、
胸肉>ささみ
