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蝶と蛾の違いをわかりやすく解説!正しい見分け方をチェック!

外に出ると、身近にいろいろな昆虫がいますよね。

中でも目に留まりやすいのが、

『蝶』『蛾』

ではないでしょうか。

 

蝶と蛾は、姿かたちがよく似ていますが、どこが違うのでしょうか?

なんとなく

『きれいなのが蝶で、地味な色のが蛾』

『夜に飛ぶのが蛾で、昼間に飛んでいるのが蝶』

と区別している人も、多いかもしれませんね。

 

でも実は、蝶と蛾の区別ってなかなか奥が深いのです。

 

今回は、蝶と蛾の違いや見分け方についてお話しします。

奥が深いと書きましたが、わかりやすく伝えるので、ぜひ読んでくださいね。

蝶や蛾を見かけるのが、ちょっと楽しくなるかもしれませんよ!

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蝶と蛾の違いや見分け方の前提

蝶と蛾の違いについて

蝶と蛾の区別について書くにあたって、先に知っておいてほしいことがあります。

まず、そのことをお話ししておきましょう。

蝶と蛾を完全に見分ける方法は…

実は、蝶と蛾を完全に見分ける方法は、今のところありません。

もしかしたらDNAレベルで調べれば、何か決定的な違いがあったりするかもしれません。

でも今の生物学では、蝶と蛾ははっきりと分けられているわけではないのです。

メモ

『今の』と付けるのは、将来は、何か発見があるかもしれないからです。

 

蝶と蛾は、どちらも『鱗翅目』という同じ仲間。

区別できないくらいよく似ているし、見た目や行動では分けられません。

 

一応の分類としては、『蝶』と呼ばれているのは

  • アゲハチョウ科
  • ウラギンシジミ科
  • シジミタテハ科
  • シジミチョウ科
  • シロチョウ科
  • ジャノメチョウ科
  • セセリチョウ科
  • タテハチョウ科
  • テングチョウ科
  • マダラチョウ科

に入るもの。

そして、上記に入らないものを『蛾』と呼んでいます。

 

ちなみにこの分け方で行くと、日本に生息する蝶と蛾は

蝶…約240種

蛾…約5500種

つまり、鱗翅目の9割以上が蛾で、蝶は4.2%くらいということです。

 

日本以外の蝶に関しては、また別の話

もう1つ、蝶と蛾の違いや見分け方をお話しするうえで知っておいてほしいのは、ここで紹介する見分け方は、

日本に住む蝶や蛾の場合

ということです。

 

海外には、日本以上に多種多様な蝶や蛾がいます。

そのため、ここで紹介する違いや見分け方があてにならないケースも多いのです。

 

ですから、今回お話しするのは、『日本で蝶や蛾を見分ける場合』と思っておいてくださいね。

 

蝶と蛾の違いや見分け方は?

蝶と蛾はどう見分ける?

ではここからは、蝶と蛾を見分けるための具体的な方法を紹介します。

蛾の写真はありますが、毛虫などの幼虫の写真は載っていないので、安心して読んでくださいね。

蝶と蛾の違い一覧

まず、蝶と蛾の違いをざっと見てみましょう。

ただし、ここで紹介する違いは、

『蝶と蛾の違いだと思われているもの』

も含まれています。

 

触角の形 マッチ棒のように先が少し太くなっている くしのような形になっている、もしくは触角の先まで太さが変わらない
翅(はね)のつながり方 後ろの翅が前に張り出している 後ろの翅に『翅棘』という棘があり、それを前の翅にひっかけている
繭を作るかどうか ほとんどの種は繭を作らない 繭を作る種類のものがいる
胴体の太さ 細い 太いが、胴体の細い蛾もいる
幼虫 芋虫、もしくは棘が生えた芋虫 毛虫はほぼ蛾の幼虫だが、芋虫もいる
鱗粉の剥げやすさ 蛾に比べて、鱗粉がはげやすい種は少ない 鱗粉が剥げやすい種が多い
とまり方 翅を閉じてとまる(例外あり) 翅を広げてとまる(例外あり)
飛ぶ時間帯(通説) 日中と思われているが、夕方や夜に飛ぶものもいる 夜が多いと思われているが、昼間に飛ぶ蛾も多い
模様の派手さ(通説) 派手なものが多いイメージだが地味なものもいる 地味だと思われがちだが、派手な蛾もいる

 

例外はもちろんあるものの、蝶と蛾では、このようなことが違います。

ただし最後の3つでは、蝶と蛾を正確に見分けることはできません。

かなり高い確率で見分けられる方法

では、ここからは、先ほど紹介した蝶と蛾の違いや見分け方について、詳しくお話ししましょう。

まずは、正確に見分けられる確率が高い方法です。

 

見分け方1 触角の形で判断する

蝶と蛾では、触角の形が違います。

蝶の触角は、マッチ棒のように先が少し太くなっています。

 

一方、蛾の触角は

  • くしのような形
  • 触角の先まで太さが変わらない

というものです。

 

写真で見てみましょう。

蝶と蛾の触角の違い

蝶と蛾の触角の違い

この写真は、左が蝶、中央と右は蛾です。

丸で囲んだところが触角。

中央の写真はちょっと見にくいですが、くしのような、葉のような形をしているのがわかるでしょうか?

 

蝶と蛾の触角には、このような違いがあります。

この見分け方なら、近づくことができれば捕まえなくても見分けることができそうですね。

 

ちなみに、蛾の中でくし型の触角をしているのは、ほとんどがオスです。

この触角で空気中に漂うメスのフェロモンをキャッチするのです。

 

見分け方2 翅のつながり方で見分ける

蝶も蛾も、片側に2枚ずつの翅がありますが、前と後ろの翅のつながり方で見分けることができます。

 

蝶の翅…後ろの翅が前に張り出している

蛾の翅…後ろの翅に『翅棘(しきょく)』という棘があり、それを前の羽の『抱鉤(だきかぎ)』に引っ掛けている

という違いがあります。

 

残念ながら今回は、この翅棘の写真を載せることができませんでした。

でも、興味があったらぜひ『蛾 翅棘』で検索して見てくださいね。

後ろから前の翅に張り出している針のようなものと、それを引っかける鉤の部分の画像が見つかるはずです。

 

ただし、この見分け方だと、捕まえてルーペなどで細かく観察しないとわかりません。

ですから、一般的にはあまり実用的な見分け方ではないでしょう。

 

また、この見分け方には例外があります。

たとえばヤママユガは、

『翅棘をひっかける』

という構造ではありません。

 

見分け方3 繭を作るかどうかで見分ける

蝶も蛾も、さなぎを経て成虫になります。

でも、ほとんどの蝶は繭を作りませんが、蛾は繭を作るものがあります。

ですから、繭があったら、蛾の蛹だと思ってだいたい間違いありません。

 

ただしこれも例外があり、ウスバアゲハの仲間は繭を作ります。

 

見分け方4 胴体の太さで見分ける

蝶はほとんどが胴体が細く、スラっとしています。

一方、蛾は胴体が太いものが多いです。

ですから、

胴体がずんぐりとしていたら、だいたい蛾

と思って間違いありません。

 

わかりやすい写真で比べてみましょう。

左が蝶、右が蛾です。

蝶と蛾の胴体の太さ

蝶と蛾の胴体の太さ

 

体つきがかなり違いますね。

 

では胴体が細ければ蝶かというと、そうとは言えません。

『胴体が細い蛾が少ない』というだけで、胴体が細い蛾もいます。

 

また、セセリチョウの仲間は胴体が太いです。

このセセリチョウは、蝶に分類されてはいますが、例外の多い種です。

セセリチョウについては、後で詳しくお話ししましょう。

 

見分け方5 幼虫の姿で見分ける

これは幼虫を見分ける方法です。

 

『毛虫』というくらい毛が生えている幼虫は、まず蛾の幼虫です。

蝶の場合は、毛が生えていたとしても『芋虫に毛が生えた』という程度です。

 

ならば、毛がないものは蝶の幼虫かというと、そうとは言えません。

蛾の幼虫の中には、毛の生えていない『芋虫』もたくさんいます。

また、ヒョウモンチョウの仲間は、幼虫が『毛虫』タイプのものがいます。

 

なお、ルリタテハの幼虫のように、体にトゲが生えているものもいます。

これは一見、毛虫っぽいですが、毛ではないので『毛虫』ではありません。

まあまあ見分けられる方法

次は、まあまあ見分けられる方法を紹介します。

ただし、先に紹介した見分け方よりは、精度が落ちます。

 

見分け方6 とまりかたの違いで見分ける

おそらく、多くの人が

  • 蝶は翅を閉じてとまる
  • 蛾は翅を広げてとまる

という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

これは、

『だいたい当たり』

というところです。

蝶のとまり方と蛾のとまり方

蝶のとまり方と蛾のとまり方

左が蝶、右が蛾。

蝶と蛾では、こんなふうにとまりかたが違うことが多いです。

 

とはいっても、

  • 翅を広げてとまる蝶もいる
  • 翅を閉じてとまる蛾もいる
  • いつもは羽を閉じてとまる蝶でも、体温を上げるために太陽に当たりたい時には、羽を広げてとまる

という例外があります。

ですから、これだけで見分けようとすると、外れてしまうこともあります。

 

でも、翅の広げ方もいろいろあり、多くの蝶や蛾を観察して慣れてくると、どう羽を広げているかで、蝶と蛾の区別が付くようになってきます。

ぜひ、いろんな蝶や蛾を観察してみてくださいね。

 

ちなみに、蝶の名前に付く『アゲハ』『タテハ』というのは、翅を立ててとまる様子から来たものとのことです。

 

見分け方7 鱗粉の剥げやすさで見分ける

蛾の方が、蝶より鱗粉が剥げやすい種が多くいます。

これは、蛾は蝶に比べて毛が生えている種が多いことからです。

 

なぜ蛾に毛が生えているかというと、

日中より気温が低い夜に活動することが多い

ためです。

蛾のような虫でも、毛が生えていればある程度保温できる、ということなのでしょう。

でも、毛が生えていると鱗粉が剥げやすいのです。

 

ただ、見分けるためだけに捕まえて鱗粉を剥がしてみるわけにはいかないですよね。

ですから、これはあまり実用的な見分け方ではないと言えるでしょう。

あまりあてにならない『見分け方』

最後に、

『蛾と蝶はここが違うと言われているけど、実際は正確に見分けることはできない』

というものについて、お話ししましょう。

いわゆる、『通説』というようなものです。

 

『蝶と蛾は飛ぶ時間が違う』って本当?

『蝶は日中に飛び、蛾は夜に飛ぶ』

という話を聞いたことはありませんか?

 

でも、

実際は、夕方や夜に飛ぶ蝶も、昼間に飛ぶ蛾もけっこういます。

なので、あまりあてになる見分け方ではありません。

 

おそらく、蛾が夜に街灯などに集まるイメージが強いことから、このような説が出て来たのではないかと思われます。

 

『きれいなのが蝶で、地味なのが蛾』という説

なんとなく『蝶はきれいで、蛾は地味』というイメージもありますが、

これはまったくあてになりません。

地味な蝶も、とてもきれいな模様の蛾もたくさんいます。

 

たとえば、ツバメガはとても鮮やかできれいな模様です。

そして、ヒカゲチョウのようにとても地味な色の蝶もいます。

 

さらに、

  • 表はオレンジ色、裏は銀色のウラギンシジミ
  • 表は赤と濃茶の派手な斑紋、裏は地味な薄茶のコケガ

というように、翅の表裏で模様が違うものもいます。

 

オオムラサキも翅の裏と表で色が違う

オオムラサキも翅の裏と表で色が違う

これは手前にいる蝶も奥にいる蝶もオオムラサキですが、表と裏でまったく色が違いますね。

 

蝶や蛾には、模様が派手なのも地味なのもいます。

その違いは、生存戦略の違いによるもの。

『子孫を残すため、派手な模様で異性に気付いてもらいやすくする』

という種もいれば、

『地味な模様で天敵に気付かれにくくする』

という種もいるのです。

 

もっとも、そもそも『きれい』とか『地味』などというのは、人間の価値観でしかないですよね。

子孫を残しやすい、捕食されにくい、という模様のものが命をつないだ結果、今のような模様が生まれてきているのでしょう。

蝶と蛾の間の『セセリチョウ』の仲間

ここまで、蝶と蛾のいろいろな見分け方を紹介してきましたが、どれも例外があります。

中でもややこしいのが『セセリチョウ』の仲間。

セセリチョウは、こんな昆虫です。

キマダラセセリ

キマダラセセリ

ぱっと見、蛾のようですね。

 

この『セセリチョウ』、『チョウ』と付いていますし、日本では『蝶』に分類されています。

でも実は、蝶と蛾のちょうど中間にいる虫ともいえるもので、研究者の間でも、『蝶だ』と言う人もいれば『蛾だ』と言う人もいるのです。

 

このセセリチョウ、どこが蝶とちがうかというと、

  • 触角の形が独特で、先の方で少し太くなった後に細くなり、種類によっては先が曲がっている
  • 胴体が太い
  • 翅の翅脈が分かれていない(蝶の翅脈は、翅の先の方で分かれている)
  • 胸部の筋肉が強く、羽ばたきが大きくて素早い、独特の飛び方をする

など、蝶とも蛾ともつかない特徴を持っているのです。

 

そのため、蝶の中でも『セセリチョウ上科』という、他の蝶とは違う分類になっています。

また、英語でも

蝶…『Butterfly』

蛾…『Moth』

セセリチョウ…『Skipper』

というように、蝶とも蛾とも違う呼び方があります。

海外でも、

『蝶にも蛾にも近いけど、蝶とも蛾とも違う昆虫』

として認識されているのでしょうね。

 

このセセリチョウは、最近DNAレベルで研究がされるようになってきたとのこと。

今後、いろいろな発見があるかもしれませんね。

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まとめ

蝶も蛾も、『鱗翅目』という同じ分類の昆虫です。

特長は、とてもよく似ていますし、色や飛ぶ時間帯では、蝶と蛾を区別することはできません。

また、胴体の太さや、止まり方という見分け方だと例外があり、確実に区別することは、なかなか難しいです。

 

でも、日本にいる蝶なら、

  • 触角の先がマッチ棒のように太くなっているのは蝶
  • 先まで太さが変わらないか、くし形になっているのは蛾

という違いで、ほぼ見分けることができます。

 

他にも、翅のつながり方など、見分ける方法はいくつかあります。

でも、この『触角の形で判断する』ことが、最も簡単でしょう。

 

ただし、この記事で紹介した見分け方は、

『日本にいる蝶や蛾なら、これでだいたい見分けられる』

というものです。

世界には、さらに多種多様な蝶がいますからね。

 

昆虫が苦手な人もいると思いますが、蝶や蛾を見かけたら、ぜひ観察してみてくださいね。

昆虫の世界も、なかなか楽しいですよ!

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