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エスキモーとイヌイットの違いをわかりやすく解説!差別用語の意味は本当?

世界には、いろいろな民族がいますよね。

その中で今回取り上げるのが

『エスキモー』と『イヌイット』。

 

どちらも極北の大地で生活している人たちです。

『エスキモー』『イヌイット』と聞くと、雪で作った家や犬ぞりを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

 

この『エスキモー』と『イヌイット』、どう違うかわかりますか?

 

また、

「『エスキモー』は差別用語だから『イヌイット』と呼ぶのが正しい」

と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

でも実は、一概にそうとも言えず、ちょっと複雑なんです。

 

ということで今回は

  • 『エスキモー』と『イヌイット』の違い
  • 『エスキモー』は差別的な意味であるという話について

じっくり調べてみました。

ぜひ最後まで読んでくださいね!

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エスキモーとイヌイットの違いとは?

北の大地に住む『エスキモー』と『イヌイット』、違いは何?

『エスキモー』と『イヌイット』は何が違う?

『エスキモー』と『イヌイット』では何が違うか簡単に言うと、

エスキモ―

⇒北極圏と極北に近い地域に住んでいる先住民のことを呼ぶ名称

イヌイット

⇒『エスキモー』と呼ばれる民族のうち、アラスカ、グリーンランド、カナダに住む民族のこと

 

つまり、

『イヌイット』は、『エスキモー』に含まれるいろいろな民族の一部を指す、

ということです。

 

では、『エスキモー』と『イヌイット』について、もう少し詳しく見てみましょう。

 

『エスキモー』とは

『エスキモー』というのは、

  • アラスカやカナダなどの北米大陸
  • シベリア極東部
  • グリーンランド

など、北極圏や極北の地域に住んでいる先住民の人たちのことを指す言葉です。

 

といっても、先住民の人たちが自ら『エスキモー』という呼び名を使ったわけではありません。

ヨーロッパなど、外部の人たちが、その地域に住む先住民を『エスキモー』と呼ぶようになったのです。

 

ですから、『エスキモー』は1つの民族に対する呼び名ではありません。

『エスキモー』の中にも、いろいろな民族がいます。

 

21世紀初頭の統計なので、ちょっと古い数字ですが、エスキモーの人の人口は、約135,000人以上とのこと。

住んでいる地域は広いですが、人口としては多くないんですね。

 

そしてエスキモーは、私たち日本人や中国人と同じ、『モンゴロイド』に属する民族です。

 

ちなみに、この『エスキモー』という言葉は、

  • 『かんじき』
  • 『かんじきの縄を編む』

という意味です。

 

『イヌイット』とは

『イヌイット』とは、『人間』という意味の言葉。

『イヌイット』には2つの意味があります。

 

1つは、エスキモーの人たちのうち、

  • カナダ
  • アラスカ
  • グリーンランド

に住んでいる人たちのグループを指す呼び名。

 

もう1つは、

カナダのイヌイットのことを、特に『イヌイット』と呼ぶ

ということです。

これは、

カナダでは『エスキモー』が差別用語

とされているからです。

 

エスキモーには、いろいろな民族がいる、と先ほどお話ししましたね。

エスキモーを大きく分けると、2つのグループに分かれ、その1つが『イヌイット』なのです。

 

ちなみに、もう1つのグループは『ユピク』といって、

  • シベリア極東部
  • アラスカ

などに住む人たちのことです。

 

そして、カナダでは『エスキモー』は差別用語であるとして、『イヌイット』という呼び名が使われています。

この『エスキモーが差別用語である』ということについては、後でまた詳しくお話しします。

エスキモーにはどんな民族がいる?

ここまでで、

  • エスキモーは北極圏や極北に住む先住民のこと
  • イヌイットは、エスキモーの中でも、アラスカ、グリーンランド、カナダに住む人たちのこと
  • カナダでは『エスキモー』は差別用語とされているので、『イヌイット』と呼ぶ

ということがわかったかと思います。

 

そして、エスキモーの中には

  • イヌイット
  • ユピク

という2つのグループがありましたね。

 

ではさらに、この2つのグループには、それぞれどんな民族がいるのか、見てみましょう。

 

なお、民族の分類は、学者や学説などによって違うことがあります。

ここに書いてあることは、

『こういう分類と考えている人もいる』

ということだと思って読んでくださいね。

また、ここでは出てこない少数民族もいます。

 

『イヌイット』のグループに含まれる民族

『イヌイット』の仲間に入る民族は、大まかに分けると東のほうに住んでいる民族です。

 

民族 居住地
イヌイット カナダ
グリーンランドイヌイット

  • カラーリット
  • トゥヌミイト
  • イヌクトゥン
グリーンランド
イヌヴィアルイット カナダ北西部
イヌピアット(アラスカエスキモーとも呼ばれる) アラスカ

 

この他にも、デンマーク本土にもイヌイットの人たちが住んでいます。

 

なお、イヌピアットは自分たちのことを『イヌイット』と呼ぶことはないとか。

『イヌピアット』という名に誇りを持っているのでしょうね。

 

『ユピク』のグループに入る民族

エスキモーを大きく2つに分けた時のもう1つのグループ、『ユピク』に入る民族は

 

民族 居住地
アリュティーク(パシフィックユピク、スグピアックとも呼ばれる) アラスカ南西部

アリューシャン列島

中央ユピク(中央アラスカユピクとも呼ばれる) アラスカ州西部から南西部

ネルソン島

ユイット シベリア最東端のチュクチ自治区

アラスカのセントローレンス島

ナウカン シベリアのチュクチ自治管区

 

といった民族です。

先ほどの『イヌイット』が東側に住んでいるのに対し、『ユピク』はおおまかには西側に住んでいると言えます。

 

ちなみに、『ユピク』という言葉も、彼らの言葉で『人間』を意味するものです。

 

『エスキモー』は差別用語?本当の意味は?

『エスキモー』って差別用語なの?

ここからは、『エスキモー』という言葉が差別用語なのかどうかについて、お話ししましょう。

 

『エスキモー』は差別用語?

「『エスキモー』というのは差別用語だから、『イヌイット』と呼ぶのが良い」

という話を聞いたことがある人も、多いでしょう。

本当に『エスキモー』という呼び方は差別用語なのでしょうか?

 

結論から言うと、

差別用語になる場合も、差別用語にならない場合もあります。

 

ちょっとわかりにくいですね。

では、どういう時に差別用語になり、どういう時にならないのか、詳しくお話ししましょう。

 

『エスキモー』が差別用語になる場合

どういう場合に差別用語になるかというと、

まず、カナダでは『エスキモー』という言葉は、差別用語とされています。

ですから、カナダでは『イヌイット』と呼ぶのが公的な呼び方です。

 

さらに、その地域で差別用語とされていないとしても、

  • 言われる人本人が『エスキモー』と言われることを侮辱や差別だと感じている
  • 言う人が相手を侮辱や差別をする意図をもって『エスキモー』という言葉を使う

という時は、差別用語になると考えた方が良いです。

 

『エスキモー』が差別用語にならない場合

逆に、『エスキモー』という言葉が差別用語にならないこともあります。

たとえば、

シベリアやアラスカでは、『エスキモー』は公的な言葉

として使われていて、差別用語とされていません。

 

他に差別用語にならないのは、

  • 言われる人本人が『エスキモー』という言葉を差別用語と捉えていなかったり、むしろ誇りを持っていたりする
  • 本人が自分の民族を(悪い意味でなく)『エスキモー』と言っている、あるいは言ってほしいと言っている

といった時です。

メモ

ただし、言われる人が気にしなくても、言う側が差別の意味で言ったら当然差別になります。

 

つまり、

その土地でその言葉がどういう意味で使われているか、相手がどう捉えるかを理解し、相手がどう呼んで欲しいかを尊重することが大切

ということです。

もちろんこれは、『エスキモー』という言葉に限ったことではありませんよね。

『エスキモー』の元々の意味とは

『エスキモー』という言葉には、元々は差別的な意味はありません。

 

『エスキモー』という言葉の本来の意味は、『かんじき』もしくは『かんじきの縄を編む』という意味

だと言われています。

 

これは北アメリカ北東の先住民であるモンタニェ族の言葉。

モンタニェ族の人が、極北に暮らす人のことを見て、そのように呼んだのでしょう。

 

ですから、本来は差別になるような言葉ではなかったのです。

 

『エスキモー』が差別用語になったわけ

ではどうして『エスキモー』が差別用語と言われるようになったのでしょうか?

 

それは

  • 『エスキモー』という言葉が、『生肉を食べる人々』という意味で伝わってしまった
  • 当時の欧米の人が『生肉を食べる』ことを野蛮なことと見ていたため、『エスキモー』という言葉を侮蔑的な意味で使うようになってしまった

ということからです。

 

『エスキモー』という言葉の意味が『肉を食べる人々』という意味にされてしまったのには

  • 解釈を間違えた
  • 意味が間違って伝わってしまった

という説があります。

いずれにせよ、元々の『かんじき(の縄を編む)』という意味が伝わらなかった、ということですね。

 

さらに、そこに

『自分たちと違う食文化への無理解や偏見』

というのも加わって、『エスキモー』という言葉を差別的に使うようになってしまったのです。

 

当時の欧米の人たちは、生肉を食べるのは『文明的ではない』と思っていたようです。

また、

『先住民より自分たちの方が上』

と考える時代でもあったのでしょう。

でも、自分たちと違う生活の仕方や食文化を、一方的に『文明的でない』と決めつけて差別するのが『文明的』な行動かどうかは、おおいに疑問ですよね。

じゃあ、極北の人たちを何て呼べばいいの?

極北や北極圏に住む民族は、たくさんいますよね。

『エスキモー』と呼んでいい場合、良くない場合も、ちょっと複雑です。

「差別用語は使いたくないけど、差別になってしまうのか大丈夫なのか、どの民族ならOKなのか、わかりにくいな…。」

と感じる人もいるでしょう。

 

そんな時は、

『本人たちに、何と呼べばよいのか教えてもらう』

これが一番です。

そして、本人たちが『こう呼んで欲しい』と教えてくれた呼び方を尊重することです。

 

というのも、『エスキモー』の他にも、先住民によって、あるいは人によって、

「そうは呼ばれたくないな…。」

ということがあるからです。

 

たとえば、『イヌピアット』は『イヌイット』のグループに入っていましたよね。

でも、イヌピアットはあくまでも『イヌピアット』であって、『イヌイット』ではないのです。

また、分類としてはイヌイットのグループに入ってはいても、『イヌイット』と呼ばれるのを嫌がる人もいます。

 

ですから、どう呼んだらいいかわからない時は

「どう呼んだらいいの?」

「民族の名前は、どういう名前なの?」

などと尋ねるのが一番なのです。

 

私たち日本人も、

「うちの県はうちの県だから、他の県とごっちゃにしないでよ。」

って思うこと、ありますよね。

そういった、自分たちの民族や郷土、文化を大切に思う気持ちは、どこの人でも同じです。

お互いに、相手の文化やルーツを大切にしていけるといいですよね。

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まとめ

『エスキモー』と『イヌイット』の違いは、

  • 『エスキモー』は、北極圏や極北の地域に住む民族の総称
  • 『エスキモー』を大きく2つに分けた時のグループの1つが『イヌイット』
  • 『イヌイット』は、その中でもアラスカ、グリーンランド、カナダに住む人たちのこと

ということです。

 

また、『エスキモー』が差別用語かどうか、ということに関しては

  • カナダでは差別用語とされていて、公的には『イヌイット』という呼び名が使われている
  • 他の地域では、公的に差別用語とされているわけではない
  • 『イヌイット』と呼ばれたくない人もいる

など、地域によって民族によって人によっていろいろ、ということです。

 

いずれにせよ、最も大切なのは、相手の気持ちを尊重することですよね。

 

それにしても、赤道直下から北極圏の厳寒の地まで、いろいろな土地に住んでしまう人間って、すごいものです。

そして、土地によって文化も様々。

いろいろな地域の民族の文化を調べてみるのも、面白いと思いますよ!

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