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菌とウイルスの違いをわかりやすく解説!意味や定義をチェック!

冬になると、インフルエンザといった感染症が流行りますよね。

感染症は、菌やウイルスによって起こります。

この『菌』と『ウイルス』って、似たような物っていうイメージが、なんとなくありますよね。

 

でも実は、『菌』と『ウイルス』ってまったく違うんです。

体のつくりも、どんな薬が効くのかも違います。

 

ということで、今回は

  • 『菌』や『ウイルス』って何なのか
  • 『菌』と『ウイルス』の違い

についてお話します。

なお、『菌』といってもいろいろですが、この記事は『ウイルス』との比較なので、『菌』に関しては『細菌』を中心に取り上げます。

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『菌』と『ウイルス』とは?

そもそも『菌』とか『ウイルス』って何?

『菌』って何?

『菌』とは、元々は『菌類』のことですが、一般的には『細菌』や『菌類』をひっくるめて指すことが多いです。

 

『細菌』とは、たとえば、

  • 乳酸菌
  • 結核菌
  • 黄色ブドウ球菌、
  • レンサ球菌

などのことですね。

 

『菌類』は

  • キノコ
  • カビ
  • 酵母菌
  • 真菌
  • 粘菌

などがあります。

といっても、キノコを『菌』と言うことは、日常ではあまりないかもしれませんね。

 

ここからは『細菌』についてお話ししましょう。

 

細菌は、だいたいこんな感じの体のつくりをしています。

細菌の構造

細菌の構造

 

動植物の細胞に比べて中身の種類も少なく、かなりシンプルですね。

DNAも核には入っておらず、他の物質と一緒に細胞内にあるだけです。

このような生き物を『原核生物』といいます。

 

なお、この図では細胞壁がありますが、マイコプラズマなどのように細胞壁がないものもあります。

『ウイルス』とは?

『ウイルス』というのは、簡単に言うと

『光学顕微鏡でないと見えないくらい小さい、感染性の物体』

のことです。

 

「えっ、『物体』って、なんで?生き物じゃないの?」

と思った人もいるかもしれませんね。

 

実はウイルスは、『生き物だ』という人も、『生き物じゃない』という人もいるのです。

 

『生き物』は、細胞から成り立っていますよね。

それに、栄養を取りこんで自分でエネルギーを作り出したり、自力で増えることもできます。

これは、『生き物』の特徴です。

 

でも、ウイルスには

  • 細胞や細胞膜がない
  • エネルギーを自分で作り出せない
  • 自力で増えることができない(他の生物の体の仕組みを利用して増殖する)
  • でも『遺伝情報』は持っている

という特徴があります。

だから、ウイルスが『生き物』かどうかはとても微妙なラインで、研究者によって見解が分かれるのです。

 

ウイルスはどんな構造になっているかというと、こんな感じです。

ウイルスの構造

ウイルスの構造

 

『カプシド』という、たんぱく質でできた殻の中に、DNAもしくはRNAがあるという、細菌よりもさらにシンプルな構造です。

種類によっては、カプシドの周りに『エンベロープ』という膜があるウイルスもあります。

 

そして、ウイルスの外観は、正多面体の形をしているものが多いです。

中でも正20面体のものが、特に多いのだとか。

 

こうして見てみると、生き物とも生き物じゃないともつかないような感じですね。

 

ウイルスには

  • コロナウイルス
  • ヘルペスウイルス
  • インフルエンザウイルス
  • デング熱ウイルス

などがあります。

 

ちなみに、『ウイルス』というと『病気の元になる』イメージが強いかもしれませんが、

動物にとって無害なウイルスもいます。

ちなみに『雑菌』『ばい菌』って何?

『細菌』や『ウイルス』と似たような使い方をする言葉には

  • 『雑菌』
  • 『ばい菌』

というのもありますよね。

どちらも、体に良くなさそうなイメージです。

 

この2つについても、簡単に紹介しておきましょう。

 

『雑菌』とは?

『雑菌』とは、

『人間が増やそうと思っていないのに増えてしまった微生物』

のこと。

 

  • ウイルス
  • 真菌
  • 細菌
  • その他の菌類

をひっくるめて『雑菌』といいます。

中でも、人にとって有害なものを指すことが多いです。

 

たとえば

  • お酒やみそなどの醸造や熟成
  • 生物学的な研究
  • 日常的な生活

などで、増えると困るような菌が増えてしまうことって、ありますよね。

そういったものを『雑菌』と言うのです。

 

『ばい菌』とは

『ばい菌』というのは、空気や土、部屋の中のいろいろな物など、環境の中にいるもので、本来は

  • 細菌
  • ウイルス
  • 真菌

などの総称です。

でもこれも、一般的には、いろいろな菌のうち、特に『人にとって有害なもの』を指します。

 

『雑菌』とあまり大きな違いはありませんが、イメージとしては

『ばい菌』のほうが、より『有害さ』が強そうな感じ

ですね。

 

『ウイルス』のことを指すことも

『雑菌』『ばい菌』という言葉を使う時には、『ウイルス』を含めていることもあります。

 

正確には、『ウイルス』は『菌』ではないので、『雑菌』『ばい菌』とは言わないはずですよね。

でも、消毒液の商品紹介などで、ウイルスを含めて『雑菌』『ばい菌』と指すことは、あまり珍しくありません。

 

ただし、先ほども紹介したように、ウイルスと菌は構造も増える仕組みも違います。

ですから、

  • 殺菌効果があるものが、ウイルスに効くとは限らない
  • ウイルスを退治できるものが、菌にも効果があるとは限らない

ということは、頭の片隅に置いておいてください。

 

『細菌』と『ウイルス』の違いとは?

『細菌』と『ウイルス』ってどう違うの?

細菌とウイルスの違いを表でチェック!

ここからは、『細菌』と『ウイルス』の違いについて、お話しします。

まず、表でざっと比べてみましょう。

 

細菌 ウイルス
生物かどうか 生物(原核生物) 生物であるとは言い切れない
大きさ 0.5~5㎛(マイクロメートル)くらい 数十~数百nm(ナノメートル)
細胞があるかどうか ある ない
構造 細胞の中にDNAがある タンパク質の殻の中に核酸(遺伝情報)がある
増殖の方法 細胞分裂で増殖する 他の生き物の細胞に入り、その細胞の仕組みを利用して増える
主な感染症の種類
  • 結核
  • 赤痢
  • マイコプラズマ肺炎
  • ジフテリア梅毒
  • 溶連菌感染症

など

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • ヘルペス
  • 麻疹(はしか)
  • ウイルス性肝炎(A、B、C型)
  • デング熱

など

効く薬の種類 抗生剤 抗ウイルス剤

 

こうしてみると、『細菌』と『ウイルス』って、けっこう違いがあるんですね。

細菌とウイルスの違いを詳しく

では、『細菌』と『ウイルス』の違いを詳しく見ていきましょう。

 

1 『生物かどうか』の違い

  • 細菌は生物である
  • ウイルスは『生物である』『生物ではない』両方の見解があるが、生物だとは言い切れない

これが、『ウイルス』と『細菌』の最も大きな違いです。

 

細菌は細胞で成り立っていますし、自力で増殖もできます。

このことは、『生物』である大事なポイントです。

 

さらに細菌は、栄養を自分の体に取り入れ、それを元にエネルギーを作っています

 

一方でウイルスはというと、先にも触れましたが、

  • タンパク質の殻はあるが、細胞がない
  • 自己増殖できない
  • 栄養を取り入れたり、それを使ってエネルギーを生み出したりしない

ということから、『生物とは言い切れない』のです。

 

細菌もウイルスも似たような感じなのに、生物であるものと生物とは言い切れないものがあるって、なんだか不思議ですね。

 

2 大きさの違い

細菌もウイルスも、肉眼では見えないくらい小さいです。

そして、ウイルスは細菌よりもさらに小さいです。

大きさは種類にもよりますが、だいたいどのくらい違うかというと

 

細菌 ウイルス
大きさ 0.5~5㎛(マイクロメートル) 数十~数百nm(ナノメートル)
ミリメートル換算 0.0005~0.005mm 30nm~300nmとすると、0.00003~0.0003mm

 

細菌は小さいとはいえ、

ウイルスの100倍くらい

あるんですね。

 

そして、このくらいの小ささなので、

  • 細菌は光学顕微鏡で見ることができる
  • ウイルスは光学顕微鏡で見ることはできず、電子顕微鏡を使って見る

という違いもあります。

 

3 細胞があるかどうかや、構造の違い

細菌とウイルスでは、構造も違います。

先ほどの絵を、今度は並べてもう一度見てみましょう。

細菌とウイルスの構造の違い

細菌とウイルスの構造の違い

 

このように、外界と中を隔てるものとしては

  • 細菌には細胞膜や細胞壁がある
  • ウイルスは、たんぱく質の殻(カプシド)やそれをとりまく『エンベロープ』という膜がある

 

細菌やウイルスの中身は

  • 細菌の中には、DNAがあり、他の物質も少しある
  • ウイルスの中には核酸(DNAかRNA)があるくらい

 

そして、移動できるかどうかも違っていて、

  • 細菌にはべん毛があって、自分で移動できる
  • ウイルスは自分で移動することはできない

と、このような違いがあるのです。

 

外観は、実際にはいろいろな形をしています。

でも、ウイルスでは正多面体が多く、そういう点でも『細菌の方が生き物っぽい』感じもしますね。

 

4 増え方の違い

細菌は自分で増殖することができますが、ウイルスは自力で増殖することはできません。

それに、増え方も違います。

 

まず細菌の場合は、細胞分裂で増えます。

1個の細菌が2個、2個が4個、4個が8個…というように、倍々で増えていきます。

また、温度や湿度(水分)などの環境条件が良いと、増えるペースも速くなります。

 

一方でウイルスの場合は、分裂して増えることはできませんが

  1. 動植物の細胞に入り込む
  2. その細胞のDNAやRNAを増やす仕組みを利用して、ウイルス自身のDNAやRNAを増やす
  3. 細胞の中でウイルスのコピーがたくさんできると、その細胞が壊れ、ウイルスが細胞の外に出る
  4. 細胞の外に出たウイルスが別の細胞に入り、また増える

という方法で増殖します。

つまり、

ウイルスは、他の生き物の細胞に入り込まなければ増えることができないのです。

 

なお、ウイルスはどの動物の細胞でも増えるわけではありません。

ウイルスによって、どの生物のどの種類の細胞に入り込めるかが違います。

ですから、同じウイルスでも

  • ある動物では感染症が起きるが、別の動物では起きない
  • ある部分に感染したら病気になるが、別の部分に感染しても症状が出ない

というようなこともあります。

 

5 感染症の種類の違い

細菌やウイルスが体に入って病気になることを『感染症』といいます。

細菌もウイルスも、ものによって感染症の原因になるという点では、同じです。

 

そして、細菌が原因で起きる感染症と、ウイルスが原因で起きる感染症があるのです。

 

たとえばどんなものかというと、細菌が原因で起きるものは

  • 結核
  • 赤痢
  • マイコプラズマ肺炎
  • ジフテリア梅毒
  • 溶連菌感染症
  • 破傷風
  • 敗血症
  • 細菌感染型の食中毒

などがあります。

 

食中毒は、最も身近かも知れませんね。

食中毒は、細菌が体内で毒素を出すものや食品内で毒素を出すものもありますが、感染型の食中毒もあります。

 

ウイルスが原因の感染症には、

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • ヘルペス
  • 麻疹(はしか)
  • 水疱瘡(みずぼうそう)
  • ウイルス性肝炎(A、B、C型)
  • デング熱
  • エボラ出血熱
  • 日本脳炎
  • HIV
  • パルボウイルス感染症

などがあります。

 

ちなみに『パルボウイルス感染症』は、犬も猫も人もかかりうる病気ですが、

犬と猫が感染するパルボウイルスと、人が感染するパルボウイルスでは、ウイルスの種類が違います。

そんな風に、

似たようなウイルスでも感染する動物が違う

ということもあるのです。

 

6 治療に使う薬の違い

ここまでで、細菌とウイルスでは、構造や増え方など、いろいろな違いがあることがわかったと思います。

となれば当然、退治に使う薬も

  • 細菌には『抗生剤(抗生物質・抗菌薬)』
  • ウイルスには『抗ウイルス薬』

というように、違います。

 

『抗生物質』とは、

  • 細菌などの微生物が成長するのを防ぐ
  • 細菌の細胞壁を壊して細菌を殺す

というような効き方をする物質のことです。

 

「えっ、細胞壁を壊すの!?そんな物飲んで大丈夫!?」

と思う人もいるかもしれませんね。

 

でも、心配はご無用。

人間の細胞には、細胞壁はありません。

また、医薬品として認められている抗生物質は、人体に強い影響を与えないように作られています。

体質によっては、または使い方を間違えたりすると、副作用が出ることはあります。

 

ただし、抗生物質に耐性を持ってしまい、薬が効きにくくなった『薬剤耐性菌』もいます。

このような薬剤耐性菌だと、感染症の治療や予防が難しくなってしまうのです。

 

そしてウイルスに使うのが、『抗ウイルス薬』。

抗ウイルス薬は

  • ウイルスが細胞に入り込むのを防ぐ
  • 細胞内でウイルスが増殖するのを防ぐ

というような効き方をするものです。

 

ただし、抗ウイルス薬は、抗生物質ほど種類が多くありません。

そのため、抗ウイルス薬で対応できる感染症も、限られています。

細菌やウイルスによる病気を防ぐには?

せっかく『菌』と『ウイルス』の話をしたのですから、最後に感染症の予防について、簡単にお話しておきましょう。

 

感染症予防の『基本のき』

感染症予防の基本は、なんといっても

  • 栄養のバランスの良い食事を取る
  • 体を冷やさない
  • 十分に休息や睡眠を取る
  • 適度に運動し、基礎体力をつける
  • 外から帰ってきたら、うがいと手洗いをしっかりする

ということです。

 

仕事や生活の状況によっては、難しいこともあるかも知れませんね。

でも、できる範囲で、ぜひ心がけてください。

 

手洗いは特に大事!

先ほど挙げた中でも、手洗いはとても大事です。

手を介して、口や鼻などから細菌やウイルスが入ってしまうこともよくあるからです。

 

外から帰った時はもちろん、

  • トイレで用を足した
  • トイレ掃除
  • おむつ交換

などの後には、きちんと手を洗いましょう。

 

ちなみに、『心を磨く』などの目的で、素手でトイレ掃除をする人や、それを推奨する人もいますが、

素手でのトイレ掃除は、感染症予防の観点から見ると、リスクが高いです。

トイレ掃除の時には必ず手袋を着けて、心は他の方法で磨いてください。

 

詳しく知りたい人は、こちらも読んでみてくださいね。

高橋一生も実践する「素手でのトイレ掃除」、医師が医療衛生面からの“危険度”を解説

 

ぜひワクチン接種を!

インフルエンザや麻疹などの感染症に有効なのが『ワクチン』。

 

ワクチンで完全に感染症を防ぐことはできませんが、ワクチンには

  • 重症化を防ぐ
  • 自分が感染症にかからないようにすることで、周りの人に感染するのを防ぐ

という効果も、かなり期待できます。

ですから、できるだけ打っておきましょう。

 

なお、ワクチンによる副反応が心配な時は、ネットで調べるのではなく、医師に相談してくださいね。

 

アルコールでの消毒も有効

手などの消毒をする時には、アルコールを使うのも有効です。

 

たとえば厚生労働省によると、新型コロナウイルスの場合は

手などの皮膚の消毒

⇒70%のアルコール

物の表面などの消毒

⇒0.1%の次亜塩素酸ナトリウム

が有効とのこと。

 

ただし、

アルコールは、すべての細菌やウイルスに有効なわけではありません。

ですから、

『アルコールが効かない細菌やウイルスもいる』

ということも、覚えておいてください。

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まとめ

細菌とウイルスの違いは、

  • 細菌は生物だが、ウイルスは生物とは言い切れない
  • 両方とも小さいが、ウイルスは細菌より、ずっと小さい
  • 細菌には、細胞があるが、ウイルスには細胞がない
  • 細菌は細胞膜や細胞壁に囲まれているが、ウイルスはタンパク質の殻に囲まれている。
  • 細菌は細胞分裂で増殖し、ウイルスは動物の細胞に入り込んで、その細胞の仕組みを利用して増殖する
  • 細菌には抗生剤を使い、ウイルスには抗ウイルス薬を使う

というように、たくさんあります。

一見すると似たような『細菌』と『ウイルス』でも、よく調べると全く違うものなのですね。

 

細菌やウイルスによる感染症は、普段の生活習慣でもある程度防げます。

  • うがい
  • 手洗い
  • 栄養
  • 睡眠
  • 運動

これらを土台にして、感染症にかかりにくい体や生活習慣を作っておきましょう。

新しい感染症が出て来ると不安にもなりますが、デマやガセネタに振り回されないように、冷静に情報を見聞きしてくださいね。

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