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【契約】請負と委託の違いをわかりやすく解説!正しい使い分け方は?

業務契約の中には、『請負』と『委託』という2つの方法があります。

あなたは、『請負』と『委託』の違いを知っていますか?

 

はなこ
この間、『請負』契約を結んだ業者さんから完成品が届いたんだけどね。

こちらの要求仕様に合っていなくて、揉めてるのよ。

要求仕様に合っていないのなら、業者の方が修正しなきゃダメだね。
たろう
はなこ
相手側は、業務はちゃんと行ったんだから報酬を支払ってくれと言ってるみたい。
『委託』だったらそれでもいいけど、『請負』はダメだよ。
たろう
はなこ
ふーん。

『請負』と『委託』って、なにか違うところがあるの?

 

今回は、『請負』と『委託』の違いについて解説し、正しい使い分け方を見てみましょう。

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【契約】『請負』と『委託』の違い

『請負』も『委託』も、業務契約を結ぶときの形式を表します。

それぞれの意味を見てみましょう。

 

『請負』とは?

ある業務の完成を条件として、報酬を支払うことを取り決めた契約

を意味します。

 

例えば、

在庫を管理するためのソフトウェアを作成すること

を業者に依頼する場合を考えてみましょう。

『請負』契約の場合、業者に対しては、目的のソフトウェアを納品することを前提に報酬を支払う契約を結びます。

このソフトウェアを作成するために、誰を何人使うかは、発注者は一切関与しません。

その裁量は全て発注先の業者に委ねられます。

また、業者は発注者に対象のソフトウェアを納品しなければなりません。

納品がされない限り、報酬は支払われないことになります。

 

『委託』とは?

仕事の一部または全てを行うよう、第三者に依頼する契約

を意味します。

実施する仕事を発注者が相手側に提示します。

相手側は、『委託』された業務を遂行しますが、その結果、発注者が望む結果が出ない場合もあり得ますね。

しかし、『委託』の場合は、そうであっても報酬を支払う必要があります。

 

『請負』と『委託』の違い

『請負』と『委託』の主な違いをまとめると、次のようになります。

『請負』と『委託』の違い

  • 『請負』は、仕事の完成や納品の義務があるが、『委託』には仕事の完成や納品の義務はない
  • 『請負』は、『委託』の中に含まれる。

 

報酬の条件

『請負』の場合、仕事を完成させたり、納品を行うことで報酬が支払われます。

逆に、仕事が不完全であったり、納品がされていない時は報酬は支払われません。

つまり、仕事の完成や納品が、報酬を受け取るための条件となっているわけですね。

それに対して

『委託』の場合は、発注者が依頼した仕事を行いさえすれば、それが発注者の意図した結果にならなくても報酬を受け取ることができます。

 

『委託』の種類

『委託』は、相手に仕事を依頼し、実行してもらうことを意味します。

ですから、

『請負』は『委託』の中にある形態の一つであることになります。

 

『委託』には、『請負』以外に『委任』という形態があります。

『委任』の場合、一定の結果を出すことが義務とはなっていない点が、『請負』とは異なります。

例えば、弁護士を依頼する時、裁判で勝てるとは限りませんよね。

結果としてはダメなわけですが、それでも報酬は支払われます。

もちろん、弁護士として最善を尽くす努力は必要です。

そのことを『善管注意義務』といい、『委任』の際にはこの義務を負うことになります。

 

『請負』『委託』『委任』の違いをまとめると、次のようになります。

『請負』『委託』『委任』の違い

請負 委託 委任
仕事の完成・納品の義務がある
善管注意義務がある
法的に定義されている

『請負』は、仕事の完成・納品の義務を負います。

仕事が完了するまでは報酬を受け取ることはできません。

『委任』は、『善管注意義務』を負います。

その仕事に対しては、最善を尽くさなければなりません。

『委託』は、そのどちらの義務も負いません。

単に仕事を依頼するだけの契約なので、何の義務もないわけです。

しかし、それでは、あまりにもいい加減な契約になりますよね。

そのため、通常は『請負』や『委任』という形式で契約を結ぶわけです。

また、

『委託』については法的に規定されている契約形態ではありません。

結果がダメであっても、それを罰する法的な拘束力はないのです。

ルーチンワークの依頼などの単純作業でなければ『委託』の形で契約することは少ないでしょう。

 

はなこ
なるほどね。

『請負』は納品の義務があるわけだから、相手側はちゃんと成果物を提出しないと報酬はもらえないわけね。

そういうことだね。

『委任』であれば、納品の義務はないけど、『請負』で契約しているならちゃんと成果物を出さないとダメだよ。

たろう

 

『請負』と『委託』の正しい使い分け方

握手

『請負』と『委託』は、どのように使い分ければいいのでしょうか?

『請負』を依頼するのは、次の場合があります。

  • 建造物の建設依頼
  • 生産機器の製造依頼
  • ソフトウェアの作成依頼

建造物や生産機器などを建設・製造するとき、出来合いの製品は通常ありません。

材料を仕入れて一から製造することが多いですね。

こういう場合に『請負』契約を結ぶ場合があります。

もちろん、建造物や生産機器が完成し、納品されることが報酬の条件となります。

目に見えないものとして、ソフトウェアの作成を依頼する場合にも、よく『請負』契約を結びます。

この場合は、作成したソフトウェアが納品物となるわけですね。

 

『委託』を依頼するのは、次の場合があります。

  • システム・メンテナンス作業の代行
  • 事務作業の代行

システム・メンテナンス作業は、基本的にルーチンワークであることが多いですね。

ですから、決められた仕事をこなしてもらえれば十分なわけであり、『委託』契約を結ぶ場合が多いです。

同様に、事務作業もルーチンワークですから、『委託』のときが多いですね。

 

『請負』契約の時に注意しなければならないのが『偽装請負』です。

『請負』契約では、成果物を製造するためのリソースや、従業者への指示などは全て発注先の業者が行います。

つまり、

発注元が相手側の労働者に対して指示・関与することはできません。

もちろん、相手側の代表に対して細かな依頼を行うことは可能です。

そうでなければ、仕様を伝えることができませんからね。

あくまでも、作業に従事する労働者への指示・関与ができないだけです。

これを守らないと、『偽装請負』ということになります。

 

法律上では、発注先である相手側が、次の要件を全て満たさなければ、『請負』と見なされません。

作業の完成に全責任を持つこと。

作業に従事する労働者全てを指示・監督すること。

労働者に対して、使用者として法律上の全ての義務を負うこと。

単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。

特にこの中で違反する可能性が高いのが、『作業に従事する労働者全てを指示・監督すること』です。

発注者が労働者に対して指示を行うことはできません。

特に、ソフトウェアの開発では相手先に常駐して作業する場合が多く、このとき請負人が同じ事務所で作業すると、この原則が破られることがあります。

ですから、事務所を分けるなど、きちんとした管理が求められるわけですね。

 

はなこ
『請負』では、相手側に指示することはできないのね。
これは非常に重要なことだよ。

きちんと守る必要があるね。

たろう

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まとめ

今回の違いのポイントについて、まとめていきましょう。

ポイント

  • 『請負』とは、ある業務の完成を条件として、報酬を支払うことを取り決めた契約である。
  • 『委託』とは、仕事の一部または全てを行うよう、第三者に依頼する契約である。
  • 『請負』は、仕事の完成や納品の義務があるが、『委託』には仕事の完成や納品の義務はない
  • 『請負』は、『委託』の中に含まれる。
  • 『請負』では、発注元が相手側の労働者に対して指示・関与することはできないことに注意。

ビジネスではよく見られる『請負』と『委託』。

依頼したい業務に合わせて正しく契約を結ぶようにしましょう。

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