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無期懲役と終身刑の違いをわかりやすく解説!刑罰の長さをチェック

時々、大きな罪を犯した人に対して

『無期懲役が言い渡された』

というニュースを聞くことがありますよね。

『無期懲役』は、日本の刑法では2番目に重い刑罰です。

 

ところで、『終身刑』という言葉を聞くこともありますよね。

『無期懲役』も『終身刑』も、

一生刑務所に入れられる

ということになります。

 

となると、

『無期懲役』と『終身刑』って、何がどう違うのでしょうか?

 

ということで、この記事では、

無期懲役と終身刑の違いや、刑罰の期間の長さ

をお話しします。

 

裁判や法律のことって、難しそうな感じがしますよね。

でも、できるだけわかりやすくお伝えするので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

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『無期懲役』と『終身刑』の違いは?

『無期懲役』と『終身刑』の違いって何だろう?

『無期懲役』と『終身刑』はどう違う?

結論から言うと、

『無期懲役』と『終身刑』は言葉が違うだけで、意味や中身は同じです。

 

『無期懲役』は、

『無期限に懲役刑を科す』

ということ。

『無期限』といっても、当然受刑者が生きている間です。

 

『終身刑』も、文字通り『人生が終わるまで刑を科す』というものです。

 

ですから、報道などでは『終身刑』と言ったり『無期懲役』と言ったりすることがありますが、

日本国内のことに関しては、どちらも『無期懲役』のことです。

海外では『終身刑』という刑の名前の場合もあります。

なお、

『仮釈放があるのが無期懲役で、仮釈放がないのが終身刑』

と思っている人もいるようですが、これは誤解です。

日本には『終身刑』がない!?

『仮釈放がないのが終身刑というのは誤解』

と書きましたが、これはなぜかというと

そもそも日本には、『終身刑』という刑罰はないからです。

 

『終身刑はない』というのは、

『終身刑は法的に定められていない』

ということです。

日本の刑法には『無期懲役』しかありません。

 

ではなぜ、日本にも『無期懲役』と『終身刑』がある、といった誤解が生まれたのでしょうか?

 

それは、

報道が『仮釈放がない無期懲役』を『終身刑』と報道してしまうこと

があるからです。

報道で使っている言葉って、一般の人も使うようになりますよね。

そのことから、

『仮釈放があるのが無期懲役、ないのが終身刑』

と思う人も出てきてしまったのです。

 

ちなみに、

『仮釈放制度のない無期懲役』

も、日本にはありません。

『仮釈放がある無期懲役と、仮釈放のない無期懲役がある』というのもまた、誤解なのです。

なんだか誤解が多いですね…。

『日本には(仮釈放の制度のある)無期懲役だけしかない』

と覚えておいてくださいね。

日本と海外の『無期懲役』『終身刑』の種類

刑法は、国によって違いがあります。

ですから、日本と海外の『無期懲役』や『終身刑』にも、違いがあります。

 

先ほども書いたように、日本が採用している無期懲役は、仮釈放の制度があるものです。

 

一方、海外には

  • 日本と同じ、仮釈放の制度がある無期懲役(『相対的終身刑』とも言う)
  • 仮釈放の制度がまったくない無期懲役(『絶対的終身刑』とも言う)

の両方を採用している国もあります。

 

2020年3月現在、日本には死刑制度がありますよね。

でも、死刑制度がない国もあります。

そういった国では、仮釈放のない『絶対的終身刑』が最も重い刑罰です。

どんな罪を犯すと無期懲役になる?

では、どんな罪を犯した場合に『無期懲役』になるのでしょうか?

 

罪を犯した時に無期懲役の判決が下るかどうかは、罪の内容にもよります。

でもたとえば、

  • 故意に人の命を奪った
  • 人が中にいる建物や車、列車、船や炭鉱などに火を放った
  • 強盗をしたうえ、人の命を奪った
  • お金を偽造したり、偽造したお金を使ったりした
  • 外国が日本に攻撃をしてきた時に、日本を攻撃した国に対して軍事的なサポートをした
  • ハイジャックをしたり、飛行機を墜落させたりして、そのことによって人の命を奪った
  • 組織的に人の命を奪う行為をした

などといった場合に、無期懲役を言い渡されたりします。

言うまでもなく、どれも重罪ですよね。

 

『無期懲役』と言うと、人の命を奪った時に言い渡されるイメージがあるかもしれませんね。

でも、通貨偽造や人のいる建物へ火を放つなど、結果的に人が亡くならなくても、無期懲役になる罪はあります。

無期懲役と似たような刑罰とは?

日本には、

  • 無期禁固
  • 不定期刑

という、『無期懲役』と似たような感じがしそうな刑罰もあります。

 

これについても、簡単にお話ししましょう。

 

『無期禁固』ってどんな刑?

『無期禁固』というのは、

『無期限で刑務所に入れられる』

という刑罰です。

 

「無期懲役とどう違うの?」

と思う人も少なくないでしょうね。

 

『禁固』というのは、『懲役』と同じように、刑務所に入れられます。

でも『禁固』は、懲役とは違って、刑務所での労働が強制されません。

受刑者が希望して労働をすることもできますが、あくまでも本人の希望でです。

 

つまり、『無期禁固』は

  • 『無期限の刑』というところは『無期懲役』と同じ
  • 『刑務所での労働は強制ではない』というところが、『無期懲役』と違う

という刑なのです。

 

ただし、『無期禁固』は、重大な政治犯に対する刑罰です。

めったにない犯罪です。

戦後で言い渡された例もありませんから、耳慣れない言葉かもしれませんね。

 

『懲役』と『禁固』の違いについてさらに知りたい人は、こちらの記事も読んでくださいね。

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『不定期刑』について

『不定期刑』は、少年法で定められている刑罰で、文字通り、刑期は決められずに言い渡されるものです。

 

『刑期が決められないまま』というと、『無期』になりそうな気もしますよね。

でも、無期になることはありません。

 

少年法は『刑罰を与える』ことよりも、更生や社会復帰を重視しています。

不定期刑は、

あえて刑期を決めずに『不定期』にして、状況に応じて刑期を終わりにする

というやり方なのです。

 

無期懲役や終身刑の長さはどのくらい?

無期懲役や終身刑って、どの位の長さになるの?

刑が一生続くのが『無期懲役』や『終身刑』

先に書いたように、無期懲役も終身刑も、受刑者がこの世を去るまで、刑が科されます。

 

海外の『仮釈放なしの無期懲役(絶対的終身刑)』は、言うまでもなく、生きている間に刑務所を出られる可能性は全くありません。

 

日本で採用している『仮釈放の可能性がある無期懲役』はどうかというと、

  • そもそも仮釈放になる可能性はかなり低い
  • 仮釈放になったとしても、刑が消えるわけではない

というものです。

つまり無期懲役になったら、どう転んでも、受刑者が人生を終えるまで刑が終了しない、ということなのです。

無期懲役の長さについてありがちな誤解

ところで、

『無期懲役でも、収監されてから10年ちょっとで釈放される』

『無期懲役といっても、刑務所に入れられる年数は、平均25年くらい』

というような話を聞いたことはありませんか?

 

これはただのウワサで、間違いです。

 

1つ目の『無期懲役になっても10年くらいで釈放される』というウワサについて。

実際に、過去には『収監から十数年くらいで仮釈放になった』という例もあるようです。

でも、あくまでも『仮釈放』であって、『釈放』ではありません。

また現在では、仮釈放するかどうかの審理は、少なくとも収監されて30年たたないと行われません。

ですから、10年で釈放されるということはありません。

 

2つ目の、『平均25年くらいしか刑務所に入れられない』ということは、

『2005年までは、(有期の)懲役が最長20年となっていた』ということからの誤解

ではないかと思われます。

 

でも、2005年以降、有期懲役の最長年数は30年とされました。

『無期懲役なのに、有期懲役の最長年数より早く出て来る』ということは、考えられませんよね。

そして、無期懲役での仮釈放審理も、30年を過ぎてからです。

 

ですから、『無期懲役でも25年くらいで出られる』というのも、誤解なのです。

 

刑法のことって普段知る機会もないですから、こうした誤解が生まれやすいのかもしれませんね。

 

『無期懲役でも仮釈放で出所できる』って本当?

「日本の無期懲役は仮釈放があるのだから、やっぱりいつかは刑務所から出て来るんでしょ?」

と思う人もいるかもしれませんね。

 

でも、仮釈放になる人は、実際にはほとんどいません。

ゼロではありませんが、0.3~0.6%くらいだとのこと。

 

なぜそんなに少ないのかというと

  • 仮釈放になる基準が厳しい
  • 仮釈放にするかどうかの審理が3回しかない

というように、無期懲役の仮釈放は、とてもハードルが高いからです。

 

どういう時に仮釈放になる?

仮釈放されるには

  • 受刑者に更生の意欲がある
  • 再犯の可能性がない
  • 保護観察付きで社会の中で生活することで、改善につながる
  • 社会的な感情として、この仮釈放が許される

という基準があります。

この基準をすべて満たすことは、なかなか難しいでしょう。

 

仮釈放の審理を受けられるチャンスは少ない

仮釈放の審理が行われるのは、収監されてから、30年後、40年後、50年後の3回だけ。

もし1回目の審理で仮釈放にならなければ、その後は10年に1度しかチャンスはありません。

そして、収監されて50年後の審理が、ラストチャンスです。

 

なぜ審理が3回しかないかというと、それ以降審理をして仮釈放になったとしても、年齢的に社会復帰が難しくなってしまうからです。

たとえば20歳で収監されたとしても、50年後には70歳。

この年で社会に戻っても、生活していくのは大変ですよね。

 

そんなわけで、無期懲役で仮釈放になることは、現実的にかなり難しいのです。

ですから、『無期懲役でも刑務所から出られる』なんてことは、まずありません。

 

『仮釈放=刑期の終了』ではない

仮に、なんとか仮釈放されたとしましょう。

それでも、刑は終わるわけではなく、懲役刑そのものは、受刑者がこの世を去るまで続きます。

 

どんなふうに刑が続くかというと、まず

  • 本籍地が刑務所になる
  • この世にいる限り、保護観察が付く

ということがあります。

 

さらに、状況によっては

  • 旅行には申請や許可が必要
  • お酒を飲み過ぎてはいけない
  • いかがわしい場所に近づいてはいけない
  • 薬物が売られているような場所、出回っている地域に近づいてはいけない

というような制限がかかることもあります。

 

このように、『無期懲役』は一生続き、刑務所から出たからと言って刑が消えるわけではないのです。

あるとしても恩赦が認められた時くらいです。

でも、無期懲役になるほどの犯罪をした人が恩赦を認められることは、まずないでしょう。

『無期懲役より長い有期懲役刑』がある!?

『無期懲役』は『終身刑』でもあります。

当然、『無期懲役は有期の懲役より刑期が長い』はずですよね。

少なくとも、日本ではその通りです。

 

でも海外では、無期懲役より長いとも言える、ものすごい長さの有期懲役刑があり得るのです。

 

史上最長の懲役刑は、1989年にタイの詐欺事件で下された判決で

なんと『懲役14万年』。

これはギネスブックにも載っているそうです。

 

他にも、『懲役439年』とか『懲役4060年』なんていう判決もあります。

 

これは別に、

「ひどい罪を犯したんだから、このくらいの懲役にしてしまえ!」

と決めているわけではなく、ちゃんとその国の制度に従って決めています。

『1人の犯人が犯した1つ1つの罪の懲役を足して行く』

という制度の場合、被害者の数や被害額が多い事件では、こうなってしまうことがあるのです。

また、極刑がないので、その代わりに懲役を長くする、ということもあります。

 

もちろん、これでもれっきとした『有期懲役刑』です。

 

でも、実質は『絶対的終身刑』ですよね。

こんな長い懲役刑じゃ、どう考えても刑が終わるまで生きていられませんから。

当然ですが、受刑者がこの世を去った場合は、残りの刑期は消滅です。

『お墓も刑務所内に作る』なんてことにはなりません。

 

他にも海外では

  • 38万年以上の懲役刑判決を受け、その後懲役が30万年以上減刑され、懲役数千年になった
  • 1人の犯人に『懲役1035年と終身刑35回』という判決が下された

という事件もあります。

冗談かと思うようなスケールですが、真面目な判決なんですよ。

 

他の例も見たい人は、こちらのサイトも見てみてくださいね。

世界の長い懲役刑・禁固刑・求刑・刑期の一覧

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まとめ

『無期懲役』と『終身刑』は、表現が違うだけで、同じ刑のことです。

刑の内容も、

『生きている限り、刑務所で罪を償う』

というもので、刑期の長さも変わりありません。

 

海外の終身刑には、

  • 仮釈放の可能性がまったくない『絶対的終身刑』
  • 仮釈放の可能性がある『相対的終身刑』

の2種類があります。

日本で採用している『無期懲役』は、2つ目の『相対的終身刑』と同じです。

 

そして、日本の『無期懲役』には、仮釈放の制度はありますが、実際には仮釈放される受刑者は、ほとんどいません。

また、もし仮釈放されたとしても、刑が終わるわけでもありません。

 

2020年現在の日本では、『無期懲役』は『死刑』の次に重い刑です。

でも、死刑制度は廃止にする国も多く、日本も国連から死刑を廃止や、一時停止にするようにと勧告を受けています。

日本にもいつか、無期懲役が最も重い刑になる日が来るかもしれませんね。

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