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江戸切子と薩摩切子の違いをわかりやすく解説!その見分け方とは?

日本の伝統的なガラス細工として有名なものに、『江戸切子』と『薩摩切子』があります。

どちらも、色ガラスに『切子細工』と呼ばれるカットを施したものですね。

この2つ、見た目も製法も異なるのですが、あなたはその違いがわかりますか?

 

はなこ
友人から、『江戸切子』をもらったの。

すごくきれいなグラスよ。

ガラス細工なら、僕も『薩摩切子』を持ってるよ。
たろう
はなこ
『江戸切子』と『薩摩切子』って、何が違うの?
作られている場所が違うのは知ってるけど、他の違いはよく知らないな。
たろう
はなこ
じゃあ、せっかくだから調べてみましょうよ。

 

今回は、『江戸切子』と『薩摩切子』の違いを解説し、その見分け方を紹介します。

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『江戸切子』と『薩摩切子』の違い

まずは、『江戸切子』と『薩摩切子』について簡単に見ておきましょう。

 

『江戸切子』とは?

江戸時代末期から、江戸(東京都)で生産されているガラス細工

のことです。

江戸で生産されているガラス細工だから『江戸切子』と呼ばれるわけですね。

その技術は、現在に至るまで引き継がれ、震災や戦災などの困難にも途絶えることがありませんでした。

また、庶民の生活とともに発展したことから

『庶民の育てた文化』

とも言われています。

『薩摩切子』とは?

薩摩藩が幕末から明治初頭にかけて生産したガラス細工

のことです。

残念ながら、明治維新頃の動乱が原因で、『薩摩切子』の技術は途絶えてしまいます。

そのため、昔の『薩摩切子』は現存数が少なく、かなりの高値で取引されるほどの価値があります。

1985年、『薩摩切子』の復刻に成功し、現在では新たな製品が生産・販売されています。

『江戸切子』と『薩摩切子』の違い

『江戸切子』と『薩摩切子』の主な違いをまとめると、次のようになります。

『江戸切子』と『薩摩切子』の違い

江戸切子薩摩切子
歴史1834年加賀屋久兵衛が始めた。1846年島津斉興が取り入れ、その子である島津斉彬が推進。
用途・目的庶民的な作品が多く、実用品交易品・大名同士の贈答品として使われ、インテリアとして用いられた。
作成方法手作業であり、金棒や特殊な砂を使ってガラスの表面をカットする。ホイールという機械を使って模様を施す。
特徴薄めの色で、透明感のある作品。色のグラデーションによるぼかしがある。
デザイン力強く大胆なカット色が厚く繊細なカット

 

歴史の違い

『江戸切子』は、

1834年に、江戸大伝馬町のビードロ屋である加賀屋久兵衛が、金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻で模様を施したのが始まり

と言われています。

大正時代から昭和初期にかけて、カットグラスは大正文化・モダニズムの時代に乗り、人気となります。

この頃は、食器やランプなど、様々な商品が販売されました。

戦後の業界は、壊滅的な打撃を受けていましたが、GHQによるガラス食器の発注や、海外向け高級シャンデリア等の輸出、そして高度経済成長期での生活の西洋化もあり、見事に復興することになります。

 

『薩摩切子』は、

1846年に、第10代薩摩藩主の島津斉興が、江戸にいるガラス職人を招いて始めた

のが最初です。

つまり、

歴史としては『江戸切子』のほうが先である

ことになりますね。

11代藩主の島津斉彬は、さらに洋式産業の一環として推進しましたが、斉彬の死後は、規模が縮小された上に、イギリス艦艇による砲撃や西南戦争による動乱があり、明治初頭でその技術は途絶えてしまいます。

復興されたのは1985年のことですから、つい最近なのです。

 

用途・目的の違い

『江戸切子』は、庶民的な作品が多く、

実用品

として用いられていました。

 

それに対して、

『薩摩切子』は、

貿易で外貨を獲得するための手段

として使われ、また大名同士の贈答品としても利用されていました。

つまり、政治的な色合いが濃かったわけですね。

また、

実用品と言うよりは、インテリア

として扱われていました。

 

作成方法の違い

『江戸切子』は、手作業で作られます。

金棒や特殊な砂を使って、ガラスの表面をカットするという職人技です。

それに対して、

『薩摩切子』は、ホイールと呼ばれる機械を使って生産されていました。

かなり近代的な設備が使われていたんですね。

 

特徴の違い

『江戸切子』は、

薄くて透明感のあるガラスにシンプルな模様

を付けています。

 

それに対して、『薩摩切子』は

厚めのガラスに色のグラデーション

が付くように削るので、独特のぼかしが見られます。

 

デザインの違い

『江戸切子』は、菊や麻の葉の模様など、着物にも使われる和の模様が大胆に刻まれています

それに対して『薩摩切子』は、細かく緩やかなカットが刻まれ、光によって幻想的な色合いが生じます。

 

『江戸切子』と『薩摩切子』の見分け方

『江戸切子』と『薩摩切子』の特徴やデザインにより、2つを見分けることができます。

江戸切子

江戸切子

上の写真は、代表的な『江戸切子』の作品です。

ガラスは薄めで、透明感があります。

シンプルでエッジのはっきりした模様が刻まれているのがわかりますね。

 

薩摩切子

薩摩切子

『薩摩切子』の場合、ガラスは厚めです。

刻まれた模様にグラデーションがあるのが分かりますね。

このぼかしが、『薩摩切子』の最大の特徴です。

 

はなこ
『江戸切子』も『薩摩切子』も、それぞれに特徴があって美しいわね。
『薩摩切子』はようやく復刻されて入手可能になったのがうれしいね。
たろう

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まとめ

今回の違いのポイントを、まとめていきましょう。

ポイント

  • 『江戸切子』は、江戸時代末期から、江戸(東京都)で生産されているガラス細工である。
  • 『薩摩切子』は、薩摩藩が幕末から明治初頭にかけて生産したガラス細工である。
  • 『江戸切子』と『薩摩切子』の主な違いは次の通り。
江戸切子薩摩切子
歴史1834年加賀屋久兵衛が始めた。1846年島津斉興が取り入れ、その子である島津斉彬が推進。
用途・目的庶民的な作品が多く、実用品交易品・大名同士の贈答品として使われ、インテリアとして用いられた。
作成方法手作業であり、金棒や特殊な砂を使ってガラスの表面をカットする。ホイールという機械を使って模様を施す。
特徴薄めの色で、透明感のある作品。色のグラデーションによるぼかしがある。
デザイン力強く大胆なカット色が厚く繊細なカット

『江戸切子』も『薩摩切子』も、日本を代表する伝統作品です。

もし、見かけたら、手にとってじっくりと観察してみましょう。

そして気に入ったら、ぜひ購入して使ってみてくださいね。

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