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当方と小職の違いとは?意味とメールでの使い分け方を解説!

日本語は、『私』や『私たち』を表す『一人称』の種類が、とても豊富です。

世界の主要な言語の中でも、これほど一人称が豊富な言語は珍しいです。

 

ところで、ビジネスで使われる一人称の中には

  • 当方(とうほう)
  • 小職(しょうしょく)

があります。

 

みさと
一人称なら、意味は同じなんでしょう?

 

いえいえ、この2つの一人称、意味も使い方も全く別なんです。

一体どう違うのでしょうか?

 

ということで、今回はビジネスシーンを中心に

  • 『当方』と『小職』の意味
  • 『当方』と『小職』のメールでの使い分け方

について解説します。

 

みさと
仕事でこういう言葉をビシッと使えたら、カッコイイなぁ…。

と思っているあなた、ぜひ読んでくださいね!

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『当方』と『小職』の意味と違い

『当方』と『小職』の意味はどう違うの?

『当方』『小職』の意味とは

まず、『当方』と『小職』それぞれの意味をチェックしましょう。

 

『当方』の意味

『当方』の意味を調べると、

こちら。

自分の方。

引用三省堂 大辞林 第三版

となっていますが、これは一般的な『当方』の意味です。

 

ビジネスシーンで使われる『当方』は、『組織としての私たち』という意味で、

  • 自分が所属している会社や職場
  • 所属している部署やプロジェクトチーム

などを指します。

ですから『当方は…』と書く場合は、『組織の一員として書いている』ということになります。

 

『当方』は、通常は複数形の一人称です。

ただし、個人事業主など、1人で会社や事業を切り盛りしている場合は、1人であっても『当方』と言うことがあります。

『その事業や組織として』というニュアンスで使われるからです。

 

『小職』の意味

『小職』の意味は、

一人称。

官職についている人が自分をへりくだっていう語

引用三省堂 大辞林 第三版

とあります。

 

『官職』というのは、簡単に言うと国家公務員のことです。

『小職』は、もともと国家公務員の人が、自分のことをへりくだって表現する言い方なのです。

 

でも最近は、民間企業に勤める人が、自分のことを『小職』と言うことも、よくあります。

特に、大手商社やIT企業では、よく使われる言葉です。

『当方』と『小職』の違いは何?

次に、『当方』と『小職』の違いを見ていきましょう。

 

当方小職
何を表す一人称か『(組織としての)私たち』を表す

(一人称複数)

『私個人』を表す一人称

(一人称単数)

誰に対して使う言葉か外部の人目下の人
どんな地位の人が使う言葉か特に決まっていないある程度地位のある人
へりくだる表現かどうかへりくだる表現ではないへりくだる表現である

 

こうして見ると、一人称でも大きく違いがありますね。

では、詳しく解説しましょう。

 

集団を指すか、個人を指すか

ビジネスシーンで使う『当方』と『小職』の一番の違いは

当方

『私たち』という意味で、自分が属する企業や職場、組織などを表す

小職

『私』という意味で、個人を表す

ということです。

 

『当方』の元々の意味は『こちら』。

であれば、単数でも複数でも使えそうな気がしますね。

でも、ビジネスシーンで使われる『当方』は、『私たちの組織』という意味なので、人数としては複数です。

 

一方、『小職』は、シンプルに『私』という個人を指します。

『私たち』の意味はありませんし、組織を表すわけでもありません。

 

誰に対して使う言葉か

『当方』という言葉を使う相手は、別の企業や職場など、外部の人です。

 

部署やプロジェクトチームが違っていても、同じ企業や職場の人に対しては使いません。

『他の組織』に対して『こちら』という意味の言葉だからです。

 

『小職』という言葉を使える相手は、自分より目下の人です。

自分と同等の立場や目上の人、高い地位にいる人に対して使う言葉ではありません。

 

どんな立場の人が使う言葉か

『当方』という言葉は、どんな立場の人でも使うことができます。

『私たち(の組織)』を表す、ニュートラルな言葉だからです。

 

でも『小職』は、ある程度高い地位の人が使う言葉です。

この言葉を使って良いのは、課長や部長などの管理職クラス以上

ということを覚えておいてください。

 

なお、一人称の中には性別によって使い分けるものもありますが、『当方』も『小職』も、性別に関わりなく使うことができます。

 

へりくだる表現かどうか

『当方』という言葉には、へりくだる意味はありません。

でも、相手がどんな立場であっても、失礼にならない言葉です。

 

一方『小職』は、へりくだる意味がある言葉です。

 

ただし、普通の人がへりくだるのではなく、

『高い地位にある人が、自分のことを謙遜して相手に敬意を表す』

というへりくだり方です。

『当方』と『小職』の類義語は?

『当方』と『小職』の類義語にも、違いがあります。

ざっと紹介しましょう。

 

『当方』の類義語

ビジネスシーンで使う『当方』には、このような類義語があります。

弊社(へいしゃ)

⇒自分の会社をへりくだって言う言葉

弊方(へいほう)

⇒自分の会社や組織をへりくだって言う言葉

当社・わが社

⇒自分の会社のことで、社内で使う言葉

私ども

⇒『当方』と同じく、自分が属している組織のこと

 

この中で、取引先など、違う組織の人に対して使えるのは、『弊社』『幣方』『私ども』です。

ただし、『幣方』は、なじみがないことから、『弊社』か『私ども』を使ったほうが、すんなり伝わります。

 

それから、『わが社』は、社長や役員などの立場の人が、主に使う言葉です。

また、上司など、目上の人と話す時に使う言葉ではありません。

 

『小職』の類義語

『小職』の類義語も、見てみましょう。

『小職』は『自分』を指すものなので、たくさんあります。

 

職業を含めて『自分』を表すものには

当職

⇒弁護士や司法書士など、『士』の付く仕事の人が自分のことを指して言う一人称

本職・本官

⇒国家公務員の職にある人が自分のことを指して言う一人称

があります。

 

職業を含めずに『自分』を表すものは、

  • 自分
  • 小生
  • 当方
  • こちとら

など、細かいものを含めると、なんと30種類以上もあります。

 

なお、『当方』も『小職』の類義語に入っていますが、ビジネスシーンでは、個人を指す意味では使わないほうが良いです。

組織を表す『当方』と間違えられやすいからです。

 

英語では、一人称は単数なら『I』、複数なら『We』ですよね。

日本語の一人称が、これほど豊かなのは、立場や人間関係によって『自分』の表し方が違うからです。

日本の文化では、それだけ『立場』や『相手との関係』が重要だということですね。

 

ビジネスメールでの『当方』と『小職』の使い分け方

『当方』と『小職』はどう使い分けるんだろう?

『当方』と『小職』の使い分け方

ここからは、『当方』と『小職』の使い分け方について、見ていきましょう。

 

『当方』と『小職』は、

組織としての対応や考え方を伝える時

⇒『当方』

管理職以上の役職の人が個人のことを伝える場合

⇒『小職』

という使い分け方をします。

そんなに難しくありません。

 

でも、ここで

みさと
管理職以上じゃない人や、目上の人に対しては、自分のことをどう書けばいいの?

という疑問が出て来ますよね。

 

安心してください。

管理職以上の役職ではない場合や、相手が目上の場合は、『私』でOKです。

 

普通過ぎて拍子抜けするかもしれませんが、ビジネスシーンだからといって必ずしも特別な言葉を使うわけではありません。

堂々と『私』と書いてくださいね。

『当方』と『小職』を使う時の注意点

次に、この2つの言葉をビジネスシーンで使う時の注意点について、お話ししましょう。

注意点とは、

  • 『当方』は、正式な文書では使わない
  • 『小職』は、ある程度の役職にある人が、目下の人に対して使う
  • 『当方』も『小職』も書き言葉である

ということです。

 

『当方』を使う時に気をつけること

『当方』という言葉は、メールなどで連絡したりする時に使う言葉です。

契約書などの正式な文書や書類の場合には、『弊社』『弊店』などと書くのが一般的です。

 

契約書などに、うっかり『当方』と書いてしまわないように、気をつけてください。

 

『小職』を使う時に気をつけること

『小職』という言葉を使う時は、

  • 課長や部長など、管理職以上の立場の人が使う言葉である
  • 目下の人に対して使う

ということに気をつけてください。

 

先にも触れましたが、『小職』は、『ある程度地位のある人が自分をへりくだって表す言葉』です。

地位の高くない人が使うと、言葉を分かっていないと思われたり、偉そうに見えてしまったりしかねません。

 

また、目上の人に対して使う言葉ではありません。

これも、偉そうな印象を与えかねないからです。

 

新入社員や平社員の人は、『小職』という言葉を使う機会はない、ということですね。

 

『当方』と『小職』共通の注意点

『当方』も『小職』も、文章で使われる『書き言葉』です。

話し言葉として使われることは、まずありません。

 

ですから会話の中では

当方

⇒『私ども』『手前ども』『弊社』など

小職

⇒『私』

と話すようにしましょう。

 

また、『当方』や『小職』は、プライベートな文章には向きません。

親しい人同士で、冗談めかして使ったりする分には差し支えありませんが、普段使いにするには硬い言葉だからです。

『当方』の具体的な使い方

『当方』の使い方を、文例も交えて具体的に見ていきましょう。

 

『当方』という言葉は、

  • 対応者が決まっていない
  • 対応する部署やチームと会社全体の意思は別である
  • 共同プロジェクトなどで、他の会社やチームも関わっている

といった時に使います。

 

対応者が決まっていない場合

たとえば、何か問い合わせがあったりして、誰が対応するかが決まっていない時には

当方より、改めてご連絡いたします。

というように『当方』という言葉を使うことができます。

 

『担当の誰それが』と、その場で伝えられないこともあります。

かといって、いちいち会社名などを言うのも、ちょっとおかしいですよね。

そんな時に、『当方』という言葉は便利です。

 

対応した部署やチームと会社の意思を分ける場合

仕事の中では、

『この部署としての考えはこうだけど、企業としての意思決定はまた別にある』

ということもあります。

 

そういう時に『当方』を使えば

当方といたしましては、このプロジェクトを進めたいと考えております。

近日中に改めてご連絡いたしますので、お待ちいただけますと幸いです。

貴重なご意見をありがとうございます。

当方としましては、ご意見を厳粛に受け止め、改善に努めてまいります。

と伝えることができます。

 

他の会社などとの共同プロジェクトなどの場合

時には、他の会社や大学などと共同で事業をすることもありますよね。

そういった場合にも、『当方』という言葉が使えます。

 

当方にて協議の上、再度ご連絡差し上げます。

 

このように書けば、『その事業やプロジェクトに関わっているメンバー』を一言で表せます。

 

『小職』の具体的な使い方

次は、『小職』の例文をいくつか見てみましょう。

 

企画書は、今月中に小職までご提出ください。

この度、小職は大阪支店に移動となりました。

明日、小職は所用のため早退いたします。

 

このように、『小職』は『私』という言葉の代わりに使うことができます。

仕事上のシチュエーションごとの使い分けも、特にありません。

ビジネスメールで一番安心して使える自称は?

『小職』のような言葉って、知ると使ってみたくなりますよね。

きちんと使えれば、知的な印象を持ってもらえることもあります。

 

でも、ビジネスメールでも会話でも、

自称(自分自身を表す言葉)の中で、最も安心して使えるのは、『私』です。

どんな場面でも使えますし、自分の立場や、相手に失礼にならないかどうかなどを気にする必要もありません。

 

また、『私』という自称には

  • 自然な一人称である
  • 相手が『小職』という言葉を知らなくても伝わる
  • 硬い印象を与えない

というメリットもあります。

 

『私』という言葉には、へりくだる意味はありません。

でも、他の部分できちんと尊敬語や謙譲語を使えば、何の問題もないですよ。

 

ビジネスメールだからといって、特別な言葉を無理に使う必要はないので、

  • 『小職』という言葉を使える立場ではない
  • 『小職』を使って失礼にならないかどうか、判断に自信がない
  • 硬い印象になるのを避けたい

という時も、安心して『私』と書いてください。

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まとめ

ビジネスメールなどで使われる『当方』と『小職』の違いは

当方

⇒会社や部署など、組織としての『私たち』という複数形の一人称で、組織の外部の人に対して使う

小職

⇒自分のことをへりくだって表す一人称で、ある程度の役職についている人が目下の人に対して使う

ということです。

 

使い分け方は、

自分が属する組織としての考えや意思、都合などを伝える時

⇒『当方』

個人としての考えや意思、都合などを伝える時

⇒『小職』

 

ただし、『小職』という言葉を使う時には

  • 部長や課長など、管理職以上の役職にある人が使う言葉である
  • 新入社員や平社員など、管理職以上の役職のない人は使わない
  • 目下の人にだけ使い、目上の人に対しては使わない

ということに気をつけてください。

 

こうした言葉は、きちんと理解して使うことが大切です。

自信がない時には、『私』と書けば大丈夫ですよ!

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