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『思います』と『存じます』の違いとは?正しい使い分け方を解説

ビジネスシーンでの言葉遣いって、大切ですよね。

特に取引先や顧客、上司など、目上の人とのやり取りでは、きちんとした言葉を使いたいものです。

 

ビジネスでよく使われる敬語には

『存じます』

があります。

 

たろう
知ってるよ。 『思います』っていう意味でしょう?

 

たしかに、『存じます』には『思います』の意味もあります。

でも、『思います』と『存じます』では、意味や使い方が違うんですよ。

 

ということで今回は

  • 『思います』と『存じます』の違い
  • 『思います』と『存じます』の使い分け方
  • 『存じます』のいろいろな使い方

について解説します。

 

正しい言葉遣いは信頼にもつながりますから、ぜひ読んで、使えるようにしてくださいね!

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『思います』と『存じます』の違い

『思います』と『存じます』の違い、ご存じですか?

『思う』と『存じる』の意味をチェック!

まず、『思う』と『存じる』、それぞれの意味をチェックしておきましょう。

 

『思う』の意味

『思う』の意味は

  • 物事に対してある感情や意識を持つ
  • 心に浮かべる
  • 希望する、願う
  • 『~と思う』の形で、~が現在における話し手の個人的な判断や推量であることを示す
  • 『~を…と思う』の形で、~が…であるという判断を持つ。~が…であると断定する

引用 三省堂 大辞林 第三版 より

 

『思う』という言葉は普段何気なく使っていますが、こうして見てみると意味の幅が広いですね。

 

『存じる』の意味

『存じる』の意味はどうでしょうか。

  • 『思う』『考える』の謙譲語
  • 『知る』『承知する』の謙譲語

引用 三省堂 大辞林 第三版 より

これもいろいろな意味がありますね。

 

ここで押さえておきたいのは、

  • 『存じる』には『思う』が含まれている
  • 『存じる』は謙譲語である

ということです。

 

『思う』と『存じる』の意味の違い

2つの言葉の意味が分かったところで、意味の違いを比べてみましょう。

 

思う

⇒『思う(思い浮かべる・感じる)』『考える』

存じる

⇒『思う』『考える』『知っている』『承知している』

というように、『存じる』には、『知っている』『承知している』という意味もあります。

つまり、『存じる』のほうが、カバーする範囲が広いのです。

 

なお、『知っている』『承知している』という意味で使う時には

『存じています(おります)』

という形になることが多いです。

『思います』と『存じます』の違いは?

では、『思います』と『存じます』の、意味以外の違いを見ていきましょう。

 

どんな違いがあるかというと

  • 『思います』は丁寧語で、『存じます』は謙譲語
  • 『思います』は対等か目下の人に使う言葉で、『存じます』は目上の人に使う言葉
  • 『思います』は主に会話で使う言葉で、『存じます』は主に文章で使う言葉

ということです。

 

丁寧語か謙譲語かの違い

『存じます』と『思います』には

  • 『思います』は丁寧語
  • 『存じます』は謙譲語

という違いがあります。

 

『思います』は『思う』に『ます』という丁寧語をつけた言葉。

 

『存じます』も『ます』がついていますね。

でも、『存じる』そのものが謙譲語なので、謙譲語のほうに入ります。

 

ちなみに、『謙譲語』というのは、自分をへりくだって表現することで相手を高め、敬意を表す言葉のことです。

 

『思います』『存じます』を使う相手の違い

『思います』と『存じます』は、どんな相手に対して使うかも違います。

 

基本的には、

思います

⇒対等か、目下の相手に対して使う

存じます

⇒目上の人に対して使う

 

目下の人には、『存じます』という言葉は使いません。

 

ただし、目上の人に対しては必ず『存じます』と言うべきかというと、そうでもありません。

相手との関係や、その場のシチュエーションにもよります。

 

『思います』と『存じます』を使う場面の違い

どんな場面で使うかの違いは、

思います

⇒主に会話で使う

存じます

⇒主に文章で使う

 

『思います』は、会話でよく使われる言葉です。

ビジネスメールなどで『お伺いしたいと思います』などと書くことはありますが、正式な文書では、まず使いません。

 

一方、『存じます』は、主に文章で使う言葉です。

硬い印象を与える言葉でもあるので、会話で使うことはそう多くはありません。

あるとしても、

  • 顧客や取引先
  • 同じ会社内なら、自分よりずっと上の立場の人

といった、特に丁寧に敬意を表す必要がある時です。

『存じます』と『所存です』はどう違う?

ビジネスで使う言葉には、『所存です』というものがあります。

どちらも『存』という言葉が入っているので、似ている印象を持つかもしれませんが、

『存じます』と『所存です』はまったく違う言葉です。

 

どう違うかというと、

存じます

⇒『思う』『知っている』などの謙譲語

所存です

⇒『~するつもりです』『~したいと思っています』という意味で、自分の意向や考えなどを伝える時に使う

 

『所存です』は、たとえば

今後は気持ちを新たにして、誠心誠意努力していく所存です。

というように使います。

 

ただし、日常的に使う言葉ではありません。

  • 履歴書での自己PRや志望動機
  • 新しい仕事や役職に就く時の挨拶
  • 大きな節目の挨拶や、大事な発表をする時

といった、いつもよりしっかりと思いや決意を伝える時に使います。

 

『思います』と『存じます』の使い分け方は?

『思います』と『存じます』はどう使い分ける?

ここからは、ビジネスシーンでどのように『思います』と『存じます』を使い分けるのか、解説します。

相手によって使い分ける

『思います』と『存じます』の使い分けで、一番基本的なポイントは

自分と対等か、目下の相手

⇒『思います』

顧客や取引先の人、上司などといった目上の相手

⇒『存じます』

と、使い分けることです。

 

特に

  • 自分よりずっと立場が上の上司
  • 取引先の人
  • 大事な顧客

などには、『存じます』を使います。

 

目上の相手であっても、

普段仕事で接する先輩や直属の上司に、日常的に『存じます』を使うのは避けましょう。

堅苦しい感じになってしまうからです。

 

また、あまりに丁寧すぎる言葉遣いは、逆に失礼になりかねません。

何事も、加減が大事ということです。

文章か会話かで使い分ける

もう1つの使い分けのポイントは

  • 会話の中なら『思います』を使う
  • 文章なら『存じます』を使う

ということです。

 

基本的に、『思います』は会話向けの言葉、『存じます』は文章向けの言葉です。

 

会話の中で『存じます』を使うと、堅苦しい感じになってしまいます。

また、『思います』という言葉は、フォーマルな文章ではあまり使いません。

 

ただし、例外もあります。

たとえば、

  • ずっと上の立場の上司や顧客などとの会話で、『存じています』などと言う
  • 連絡のメールで、『〇日に伺いたいと思います』などと伝える

といった使い方は、不自然ではありません。

 

これも、さじ加減やシチュエーションによる、ということです。

『思います』も『存じます』も多用は禁物!

『思います』は、日常的な会話の中では使いやすい言葉ですよね。

また、『存じます』も、仕事の中でよく使う敬語です。

 

でも、

『思います』も『存じます』も、使い過ぎは良くありません!

なぜ良くないのか、多用を避けるためにはどうすれば良いのか、お話ししましょう。

 

『思います』を多用するデメリットとその対策

ビジネスシーンで『思います』を多用しないほうがよい理由は、

  • はっきりしない
  • 責任感が弱いのではないか
  • 自信がなさそう
  • 説得力が弱い

というような印象を持たれてしまうことがあるからです。

 

多用を避けるためには、他の言葉や言い回しを使うと良いです。

どんな言葉や言い回しがあるかというと、たとえば

  • ~と考えます。
  • ~のように感じます。
  • ~という印象を受けます。

などです。

 

例文を見てみましょう。

A案とB案なら、A案のほうがメリットが多いと思いました。

A案とB案なら、A案のほうがメリットが多いと考えました。

 

このキャッチコピーのほうが、お客様にとって親しみやすいだろうと思います。

このキャッチコピーのほうが、お客様にとって親しみやすいように感じます。

 

漢字の多すぎる文章は、難しそうで堅苦しいと思います。

漢字の多すぎる文章は、難しそうで堅苦しい印象を受けます。

 

どうでしょうか?

下の文章のほうが、引き締まった印象になりますね。

 

『存じます』を多用するデメリットとその対策

『存じます』も、あまり多く使うものではありません。

1つのメールや文書につき、1つか2つにしておきましょう。

 

なぜかというと、

  • しつこい感じになる
  • 丁寧の度がすぎて、逆に失礼になってしまう
  • 『敬語をあまり知らないから、知っている敬語を連発するのでは?』と思われてしまいかねない

という理由からです。

 

『慇懃無礼』という言葉がありますよね。

これは、『丁寧すぎて逆に無礼になる』『わざと丁寧に振舞うことで、相手を見下す態度になる』という意味です。

丁寧さも度を超すと、失礼になったり、相手を見下しているように思われてしまうのです。

ですから、丁寧な言葉遣いも、ほどほどにすることが大切ですよ。

 

『存じます』はどのように言い換えればよいかというと、たとえば

お忙しいとは存じますが

⇒お忙しいところ恐縮ですが

ご連絡いただきたく存じます

⇒ご連絡くださいませ

日程変更の件、存じております

⇒日程変更の件、承知しております

少々お時間を頂戴いたしたく存じます

⇒少々お時間をいただけませんでしょうか

というように言い換えられます。

 

語彙や言い回しのバリエーションを増やしておこう!

『思います』や『存じます』に限らず、同じ言葉ばかりを使うのは、あまりよくありません。

少しずつで良いので、普段から語彙を増やし、いろいろな言い回しが使えるようにしておきましょう。

 

先ほど挙げた文例でもわかるように、いろいろな言い回しや言葉を使えると、

  • 同じ言葉を多用しないで済む
  • 会話や文章の印象が変わる
  • 表現に広がりや深みが出る

というメリットがあります。

 

ぜひ、楽しんで語彙力アップにチャレンジしてくださいね!

 

『存じます』の使い方を覚えよう!

『存じます』のいろいろな使い方をチェック!

ここからは、『存じます』の使い方をさらに掘り下げていきましょう。

ビジネスシーンで使うパターンなども紹介しますよ!

シチュエーション別の『存じます』の使い方

『存じます』の使い方には、いろいろなバリエーションがあります。

どんなバリエーションがあるか、シチュエーションごとに紹介しましょう。

 

『察しますが』『思いますが』を表現する『存じます』

手紙などでよく、

お忙しいとは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご参加ください。

などと書いてあることがありますね。

 

ここで使う『存じます』は、『思います』『お察しします』の意味で、

相手の状況をおもんばかり、配慮を示す言葉です。

 

お願いをする時の『存じます』

相手にお願いをする時によく使うのは

お願いしたく存じます

⇒『お願いしたいと思います』の意味

~いただきたく存じます

⇒『~していただきたいと思います』の意味

~いただければと存じます

⇒『~していただければと思います』の意味

 

例文を見てみましょう。

 

5月末日までに、必ず参加の可否をお伝えくださいますよう、お願いしたく存じます。

ご希望の日程をお知らせいただきたく存じます。

近日中にご来店いただければと存じます。

 

日常生活では、『お願いしたいと思います』『~していただきたいと思います』というような言い方は、あまりしません。

ちょっと遠回しな言い方にも感じられます。

でも、このような表現を使うと、相手に対して遠慮している気持ちも伝えることができます。

 

また、相手が多忙な時や、こちらの落ち度で何かお願いをする時などには、

  • 大変申し訳ありませんが
  • お手数をおかけしますが

というような言葉を入れると、さらに丁寧になります。

 

提案したり尋ねたりする時の『存じます』

自分の意見を伝えたうえで、何かを提案したり伺いを立てたりする時には、

『~と存じますが、いかがでしょうか』

という言葉を使います。

 

来週中にお見舞いに伺いたいと存じますが、いかがでしょうか。

8月のイベント企画について、今月28日に打ち合わせをしたいと存じますが、いかがでしょうか。

と使います。

 

相手に失礼なことをお願いしたり伝えたりする時

相手に対して失礼なことをお願いしたり、失礼な方法で何かを伝えたりする時には

『失礼かと存じますが』

を使います。

 

失礼かと存じますが、再度ご確認くださいますようお願い申し上げます。

失礼とは存じますが、書面をもちましてお礼申し上げます。

 

なお、このような使い方をする場合は、『失礼存じますが』ではなく、

  • 『失礼かと存じますが』
  • 『失礼とは存じますが』

と書きます。

 

『問題ありません』と伝える時の『存じます』

  • 相手からの要望や提案などを受けて、『それで大丈夫です』と伝える
  • 相手からの確認などについて、問題ない時に『大丈夫です』と伝える

といった時には

『問題ないかと存じます』

という言葉が使えます。

 

窓のサイズについてのご質問ですが、その大きさでしたら問題ないかと存じます。

ご連絡いただいた内容、問題ないかと存じます。

 

これも、『問題ないかと存じます』と書くことが多いです。

『問題ないとは存じます』と書くと、『問題ないと思いますが、絶対とは言えません』というニュアンスになるので、注意してください。

 

感謝を伝える時の『存じます』

感謝を伝える時には

  • 〇〇様のおかげと存じます
  • ありがとう存じます

という言い回しを使うことができます。

 

当社も創設20周年を迎えることができました。

これもひとえに皆様のおかげと存じます。

先日の件につきましては丁寧なご対応をいただき、ありがとう存じます。

 

このような表現を使うと、感謝の気持ちをより丁寧に伝えることができますよ。

 

『できたら~したい』というこちらの意思を伝える時

『できればこうしたいと思います』と伝える時には

『~できればと存じます』

という表現があります。

 

企画案がまとまり次第、ご連絡できればと存じます。

社内で検討いたしますので、お時間を頂戴できればと存じます。

 

ちなみに2つ目の例文は、相手に対して『時間をください』というお願いでもありますね。

このように、『~できればと存じます』は、お願いをする時にも使えます。

『存じます』『存じています』『存じ上げています』の違いは?

『存じます』が少し変化したものとして

  • 『存じています』
  • 『存じ上げています』

があります。

これも、よく使われる言葉です。

 

この『存じます』『存じています』『存じ上げています』も、意味や使い方が違います!

 

どう違うかというと、意味としては

存じます

⇒思う、考える、知っている、承知する

存じています

⇒知っている、承知している

存じ上げています

⇒知っている、承知している

 

こうして見ると、『存じています』と『存じ上げています』は同じように見えますね。

でも、

存じています

⇒人や物、場所などについて知っている時に使う

存じ上げています

⇒主に人について知っている時に使う

という違いがあるのです。

『存じます』『存じています』『存じ上げています』の使い分け

では、『存じます』『存じています』『存じ上げています』の使い分けについて、解説しましょう。

 

『存じます』と『存じています』『存じ上げています』の使い分け

使い分け方は

自分の考えや思いについて『思います』と言う時

⇒『存じます』

人や物、場所などについて『知っています』と言う時

⇒『存じています』

人物について『知っています』と言う時

⇒『存じ上げています』

 

例文で見てみましょう。

 

『ご活躍のことと思います』と言いたい時に

ますますご活躍のことと存じます。

 

顧客に『新しい合同プロジェクトのことを知っていますか?』と聞かれた時に

その合同プロジェクトのことは存じています。

 

パーティーで上司に、他社の社長と一緒にいる男性が誰か知っているかときかれて

はい、存じ上げています。

あのお方は、〇〇株式会社社長のご子息です。

 

もし『存じます』と『存じています』を逆に使うと

ますますご活躍のことと存じています。

⇒『ますます活躍していらっしゃることを知っています』という意味になる

その合同プロジェクトのことは存じます。

⇒文法的におかしい文

となってしまいます。

 

ですから、『存じています』『存じています』『存じ上げています』の使い方は、しっかり覚えてくださいね。

『存じています』『存じ上げています』を丁寧さで使い分けるなら

人物について話す時には、『存じています』と『存じ上げています』のどちらを使っても間違いではありません。

 

でも、この2つには丁寧さに違いがあり、

『存じ上げています』は『存じています』よりも丁寧な言い方です。

『存じる』という謙譲語+人を敬う意味の『上げます』がついた言葉だからです。

 

また、『います』を『おります』にすると、さらに丁寧な言い方になります。

 

つまり、丁寧さで順番をつけるなら

  1. 存じ上げております
  2. 存じ上げています
  3. 存じております
  4. 存じています

となります。

『存じます』は、自分のことについて使う言葉

『思う』『考える』の意味の『存じます』は、自分が思っていることについてのみ使うのが基本です。

他人が思っていることについては、使いません。

 

私は〇〇様のご提案が最善の策かと存じます。

これは、『私』が思っていることなのでOKですが、

山田も〇〇様のご提案が最善の策と存じます。

これは、山田さんが身内である場合でも、間違った使い方です。

 

自分の身内が思っていることを第三者に伝える時は、

山田も、〇〇様のご提案が最善の策だと申しております。

山田も、〇〇様のご提案が最善の策だと考えております。

というように伝えます。

 

ただし、

『存じています』『存じ上げています』なら、自分以外の人が知っているかどうかについても使うことができます。

 

山田も、会場と日程の件については存じております。

山田も〇〇様のことは存じ上げております。

〇〇様は山田のことをご存じです。

 

これなら、正しい使い方ですし、違和感もありません。

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まとめ

『思います』と『存じます』の違いは

思います

⇒思う、考えるの丁寧語

存じます

⇒思う、考える、知る、承知するの謙譲語

 

使い分け方は、

思います

⇒主に目下の人との会話で使う

存じます

⇒目上の人に対して、主に文章で使う

 

『思います』も『存じます』も、たくさん使わないほうが良いです。

『思います』を連発すると、頼りない印象を与えかねません。

また、『存じます』を多用すると、堅苦しい印象になりますし、人によってはかえって失礼に感じることもあります。

1通の手紙やメールにつき、1つか2つにとどめておきましょう。

 

ビジネスで使う言葉を使えるようにすることは、大事です。

でも、言葉は1つ覚えれば良いというものではありません。

一つ覚えになってしまわないように、またバランスの良い言葉遣いができるように、いろいろな敬語や言い回しを覚えてくださいね!

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