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MOSFETとトランジスタの違いをわかりやすく解説!仕組みをチェック

『トランジスタ』といえば、現在でも様々な電子機器で利用されている重要な半導体素子ですね。

そして、『MOSFET』という素子は『トランジスタ』の一種になります。

では、『MOSFET』と『トランジスタ』では、いったい何が違うのでしょうか?

 

はなこ
電子部品に『MOSFET』ってあるでしょ?

あれは『トランジスタ』のことだよって教えてもらったことがあるんだけど、全く同じものなの?

厳密には『トランジスタ』の一種が『MOSFET』だね。
たろう
はなこ
じゃあ、何が違うの?
詳しくは僕も知らないんだ。
たろう
はなこ
なんだか気になるじゃない。

じゃあ、ちょっと調べてみましょうか。

 

今回は、『MOSFET』と『トランジスタ』の違いについて解説します。

仕組みについても一緒に見てみましょう。

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『MOSFET』『トランジスタ』の仕組み

『トランジスタ』は、電気信号を増幅したり、スイッチの役割として使われる半導体素子です。

『トランジスタ』には様々な種類があり、『MOSFET』はその中の1つになります。

また、一般には『バイポーラトランジスタ』のことを『トランジスタ』と呼びます。

『バイポーラトランジスタ』も『トランジスタ』の一種ですが、言わばその代表的なものというわけですね。

ですから、ここでは『トランジスタ』=『バイポーラトランジスタ』として仕組みを説明します。

 

『MOSFET』の仕組み

『MOSFET』は、『Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor』の略語です。

ゲートと呼ばれる部分に金属(Metal)が使われ、その下の半導体(Semiconductor)表面が酸化膜(Oxide)による絶縁膜となっています。

また、『FET(Field Effect Transistor)』は『電界効果トランジスタ』という『トランジスタ』の一種であることを表します。

下の図は、n型チャネル接合型の『MOSFET』の構造を表したものです。

MOSFET

MOSFET

Sはソース、Dはドレイン、Gはゲートという名前の端子を示しています。

また、NはN型半導体、PはP型半導体です。

N型半導体とは、電荷を運ぶキャリアに電子が使われる半導体

P型半導体とは、電荷を運ぶキャリアに正孔が使われる半導体

を表します。

N/P型半導体は、半導体に不純物を加えることで作られますが、ここでは電気を流すことのできる半導体であると理解しておきましょう。

この状態で、SとDの間に電圧をかけても、電流は流れません。

というのも、電子がP型半導体へ流れると、正孔に電子が埋まることで絶縁体へと変化し、電気を通さなくなってしまうからです。

そこで、SとGの間に電圧をかけます。

すると、P型半導体のG付近に電子が引き寄せられ、P型半導体がN型半導体に変化します。

つまり、SとDの間がN型半導体でつながれた形になり、電流が流れるようになるわけです。

MOSFET(ゲート電圧ON)

MOSFET(ゲート電圧ON)

 

『トランジスタ』の仕組み

『(バイポーラ)トランジスタ』の場合、構造が異なります。

トランジスタ

トランジスタ

Eはエミッタ、Cはコレクタ、Bはベースという名前の端子です。

EとCの間に電圧をかけても、P型半導体は絶縁体へと変化するので、電流は流れません。

しかし、EとBの間に電圧を欠けると、Bから電子が流れ出すことによって絶縁層が薄くなります。

よって、電流が流れるようになるわけですね。

トランジスタ(電圧ON)

トランジスタ(電圧ON)

 

はなこ
仕組みが違うのは分かったけど、結局何が違うの?
どちらも電流が流れたり流れなかったりする仕組みは同じなんだよね。

どこに違いがあるんだろう?

たろう

 

『MOSFET』と『トランジスタ』の違い

トランジスタ・ラジオ

『MOSFET』と『トランジスタ』の主な違いをまとめると、次のようになります。

『MOSFET』と『トランジスタ』の違い

  • 『MOSFET』は電圧をかけると抵抗値が変化する部品、『トランジスタ』は電流を増幅する部品である。
  • 極端に大きな電流を扱うのでなければ、『MOSFET』のほうが効率がいいことが多い。
  • 『MOSFET』は静電気に弱く、『トランジスタ』は静電気に強い

それでは、順番に細かく見てみましょう。

 

特性の違い

『MOSFET』は、ゲートに電圧をかけることで電流の流れを変化させる、いわば可変抵抗の働きをします。

それに対して、

『トランジスタ』は電流を増幅させるために使われる部品です。

もちろん、抵抗が小さくなれば電流は大きくなるので、『MOSFET』も『トランジスタ』と同じ働きを持っています。

しかし、『トランジスタ』の場合は増幅率が決まっています(たいてい100~200倍程度)。

『MOSFET』は、電圧の調整で増幅率を変化させることができるのです。

簡単に言えば、

『トランジスタ』は1mAの電流で100mAに増幅する

部品なのに対し、

『MOSFET』は(例えば)5Vの電圧で抵抗値が0.1Ωになる

部品ということになりますね。

 

効率の違い

『トランジスタ』は、電流値を100倍程度に増幅する部品でしたね。

では、1mAを10Aにするには、どうすればいいでしょうか?

そのためには、一度1mAの電流を『トランジスタ』で100mAにして、もう一度次の『トランジスタ』で100倍して10Aにすることになります。

『MOSFET』の場合は、1つの部品で電圧を調整して10,000倍になるようにすればいいですね。

一般的に、『MOSFET』のほうが『トランジスタ』よりも効率はいいです。

 

静電気への耐性

『MOSFET』の弱点は、静電気です。

ゲート部分が静電気に弱く、物理的に破壊されてしまう場合があるので、取り扱いには注意が必要になります。

ちなみに、CPUなどのICチップには超小型の『MOSFET』が使われています。

なので、静電気には注意する必要があるのですね。

 

はなこ
なんとなく、違いがわかったわ。
ICチップには『MOSFET』が使われているのか。

だから、取り扱いには注意しなきゃならないんだね。

たろう

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まとめ

今回の違いのポイントについて、まとめていきましょう。

ポイント

  • 『MOSFET』は電圧をかけると抵抗値が変化する部品、『トランジスタ』は電流を増幅する部品である。
  • 極端に大きな電流を扱うのでなければ、『MOSFET』のほうが効率がいいことが多い。
  • 『MOSFET』は静電気に弱く、『トランジスタ』は静電気に強い

『MOSFET』も『トランジスタ』も、身近な電化製品にたくさん使われています。

基板を見る機会があったら、一度調べてみると面白いかも知れませんね。

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